![広範囲にわたる77のテーマ](./img/sp-kouhani.png)
二人の視座は、人間という存在、教育の在り方、戦争と平和、指導者の条件、組織論、世界統合化への道、宇宙観、生命の永遠性、宗教の使命など内容は多岐にわたり、対談の視座は21世紀に向かう人類の課題を解決していく方途の探求に向けられています。
![第一部 人生と社会](./img/daiichibu.png)
![第一部 人生と社会](./img/1bu-sp.png)
- 第一章 人間はいかなる存在か
- 人間の動物的側面
- 遺伝と環境について
- 精神と肉体の関係
- 深層心理の探究
- 理性と直観
- 第二章 人間を取り巻く環境
- 人間と自然
- 天災と人災
- 現代都市の諸問題
- 都市から農村へ
- 終末論に対して
- 地球の汚染を防ぐために
- 第三章 知的生物としての人間
- 学問・教育のあり方
- 文学とその役割
- 知識人と大衆
- 知識人と芸術家の政治参加
- 科学的思考法の限界
- 第四章 健康と福祉のために
- 医学における倫理観
- 臓器移植に関して
- 一般医と専門医
- 老人への福祉
- 国民総生産か国民総福祉か
- 母親業という職業
- 産児制限と家族数
- 第五章 社会的動物としての人間
- 新しい労働運動のあり方
- 余暇の増大に対して
- 組織と価値観
- 複数組織からの挑戦
- 世代間の断絶と体制
- マスコミの中立性
- 信教の自由について
- 出版の自由の限界
- 死刑廃止について
- 自殺と安楽死
![第二部 政治と世界](./img/dainibu.png)
![第二部 政治と世界](./img/2bu-sp.png)
- 第一章 二十世紀後半の世界
- 先進国と発展途上国
- アメリカ合衆国
- 宇宙開発競争
- 日本とイギリス
- 王制の将来
- 国家解消論
- 民族再建と共産主義
- 愛国心と人類愛
- 第二章 軍備と戦争
- 経済発展と戦争
- 原子力の平和利用
- 代理戦争とアジア
- 平和憲法と自衛
- 未来の世界警察軍
- 戦争の本質と今後
- 第三章 政治体制の選択
- 指導者の条件
- ファシズムへの防塁
- 目的・手段と権力悪
- 民主主義と独裁制
- 民主主義とメリットクラシー
- 第四章 一つの世界へ
- 新たな国際通貨を求めて
- 東アジアの役割
- 中国と世界
- 日本が貢献する道
- 二極時代から多極時代へ
- 世界統合化への課題
![第三部 哲学と宗教](./img/daisanbu.png)
![第三部 哲学と宗教](./img/3bu-sp.png)
- 第一章 事象と本質
- 生命の起源
- 生命の永遠性
- 宇宙について
- 他の天体との交流
- 物質の究極は何か
- 時間と空間
- 究極の実在との合一
- 仏法的なものの見方
- 第二章 宗教の役割
- 文明の生気の本源
- 近代西欧の三宗教
- 汎神教への回帰
- 第三章 善悪と倫理的実践
- 性善説・性悪説
- 欲望の超克
- 人間の運命について
- 進歩とは何か
- 愛と良心
- 愛と慈悲の実践
- 愛の領域の拡大
- 至高の人間的価値
![新たな国際通貨を求めて](./img/kokusaitsuka.png)
対談が行われていた1970年代前半は、アメリカの財政悪化による、いわゆるドルショックが起こるなど、混沌とした時代でした。対談では、通貨の統合や、地域経済ブロックの創出など、今日の世界経済の課題に繋がる事柄が、すでに話し合われていました。
トインビー博士
世界の諸国民は、今日、経済面ではきわめて緊密に結び合っています。(中略)国際通商のためには、何らかの“世界通貨”にあたるものが不可欠です。
池田先生
政治体制やイデオロギーには違いがあっても、(中略)経済面での地域的統合、さらに世界統合化への努力は、今後とも不断に続けていかなければならないと思います。
![新しい国際政治の展望](./img/kokusaiseiji.png)
1960年代に入り、アメリカとソ連という超大国の力が絶対的なものでは無くなりつつありました。ベトナム戦争、中ソ対立、プラハの春など、国際政治における多極化現象が起こり始めており、二人はこの本質を鋭く指摘。今後の国際社会への展望を示しました。
トインビー博士
資本主義と共産主義の対立といっても、それは私のみるところでは、ほとんどが見せかけにすぎず、ずっと古くから繰り返されてきた類の、競い合う国家間の国益と野心をめぐる抗争を覆い隠す、一種の仮面なのです。
池田先生
世界がいくつにも分裂して対立してきた原因の一つは、同じ地球民族でありながら、あまりにも相互理解が足りなかったことにあると思います。(中略)相互理解を不動の基礎として確立することこそ、平和を支える第一条件だと信じています。
![原子力について](./img/gensiryoku.png)
![原子力について](./img/sp-genshiryoku.png)
当時、新たな将来性のあるエネルギーとして、世界でもてはやされた、原子力についても、対談ではその危険性を指摘しています。
池田先生
よく知られているように、原子力は非常に危険な、諸刃の剣ともいうべきものです。
トインビー博士
原子力は、これまで人間が利用してきたあらゆる無生物資源のうち最も危険であるという点でも、私の考えはあなたと一致しています。
池田先生
私は原子力の平和利用に関する国際的な査察機構を国連などに設けて、随時各国の状況を査察しうるようにすることを提案したいのです。
![世界31言語へ翻訳](./img/sp-29.png)
本書は、世界の学術・教育機関で教科書として学ばれています。
「私も若い時に池田博士とトインビー博士との対談集を読み、感銘を受けました。世界の平和と調和を実現しゆくためのエッセンス(精髄)が凝縮されていたからです。私たちは世界の一部として生きています。いかに人類が調和して生きていくかを模索していた私にとって、とてもインパクトのある出あいでした。」
アルゼンチン
ロンバルディ元大臣
「じっくり時間をかけて読みました。お二人とも偉大な学者です。本当に世界のことを考え、人類のことを考えておられる。多くのことを学びました。…読むたびに啓発されます。」
インド
ナラヤナン元大統領
「対談集は、人類の教科書ともいえる一書。」
中国作家協会
孫立川博士
「トインビー博士との対談集『21世紀への対話』をはじめ、先生の多くの対談集が中国の人々に、極めて大きな影響をもたらしています。私も熟読する中で、先生の思想が、いかに開放的で、豊かで、大きな価値を持っていることかと感服しています。」
中国 東北師範大学
韓東育副学長
「一読して驚きました。すでに池田博士は、その中で、社会と社会、国民と国民との『協調』の時代の到来を論じておられた。当時の時代は『協調』など思いもよらない、厳しい『対立』のなかにあったにもかかわらず。…私は博士の先見性に、深い感銘を覚える。」
スペイン バルセロナ大学
ブリカル元総長
トインビー博士と、池田先生との対話は、どのように始まったのか。 そして、今に続く世界の識者との対話は、どのように広がっていったのか。映像で紹介しています。
「人類は生き延びることができるのか——」歴史家の視点から、トインビー博士は危機感を。やがて東洋の英知に注目しています。
(2013年に制作したものです)
「現代の諸問題について、あらゆるテーマで語りあわれた対話。トインビー博士は、仏教の「中道」の思想に共鳴しています。