2026.01.15
高齢者コミュニティ発——災害レジリエンス向上につながる実践
公開日:
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高齢者中心のコミュニティが、今日、日本の各地に出現しています。そうした地域を災害が襲った場合、どのように対処すればよいのでしょう。
もちろん、簡単に答えが出るものではありませんが、そこに取り組む人たちが各地に存在しています。創価学会の幸福城部員(旧:団地部員)の中で、こうした課題解決に尽力されている方も少なくありません。
そうした様子が先般、国際会議の場で紹介されました。

1.会議の概要
「アジア・太平洋地域人道パートナーシップ週間」という国際会議が近年開催されています。国連人道問題調整事務所(UNOCHA)なども協力しています。近年は参加者が増えており、2025年12月にタイのバンコクで開催された会合には500人以上が集いました。アマゾン社など、企業の代表も姿も見られました。
最初と最後の全体会以外は、多くが分科会の形式で、また一部の団体はブースを設けて、自分たちの活動や人道支援活動に役立つツールなどを紹介していました。
日本も災害大国ではありますが、技術がそれなりに進んだ国です。気象予測、またその発信、あるいはハザードマップの整備などが進んで、一定の効果を生んでいます。一方、アジア地域にあっては、そうしたものが全く整備されていない国や地域も少なくありません。限られた予算の中で、そうしたものをどう整備していくか、さまざまなアイディアが出される会議でした。
2.幸福城部員の活動も紹介した動画が上映
会議に先立ち、人道支援に関連した「ストーリー」に関する動画の応募があったことから、SGI(創価学会インタナショナル)として制作に取り組みました。扱ったのは、都内の団地地域での防災の取り組みです。100以上の応募があった中から、9つが優秀作品に選ばれ、全体会で上映されました。
撮影の舞台となったのは、新宿にある都営住宅団地・戸山ハイツ。三十数棟が並ぶ大型団地です。かつては子どもたちも多く暮らしていましたが、近年はそうした世帯が転出してしまい、高齢化率が55%を超えています。残念ながら、時に孤独死なども発生しています。また災害時には、自分では逃げられない、また周りの人を救おうと思っても救えないという方が多いのが現実です。
そうした中、自治会の皆さんなどが中心になって、住民のつながりを強化する取り組みを進めています。どこに誰が住んでいるのか、最近の状況はどうか、誰が救いを必要としているか、お互いが認識することで、災害に対するレジリエンス(困難を乗り越える力)が高まると期待されています。
一方で近年、こうした団地には外国人の居住者が増えています。外国人の皆さんは比較的年齢が若く、災害時には「救う側」としての活躍も期待されます。しかし現状は日本人住民との交流が限られ、避難訓練や避難所の情報なども十分に届いていなかったりすることが少なくありません。それでは活躍どころか、自分たちの避難さえ困難が生じます。
そのため戸山ハイツの自治会関係者の方々は、日頃の声かけや、カレー・パーティーを主催するなどして交流し、またさらには、夏祭りに際し「多言語防災ブース」を設置して啓発に取り組んできました。
こうした取り組みを中心的に担っている方の中に、幸福城部員の方も少なくありません。映像では、そうした方のお一人へのインタビューも紹介されています。
3.高齢化や外国人との共生がさらに進む中で
このような事例は、戸山ハイツに限らず他の地域でも見られるものでしょう。また、学生やNPOが支援に入るケースも生まれています。
そうした中、「心と心が通い合う、理想の人間共同体」を作らんとする幸福城部員の姿勢や取り組みは、大きな意義を有しているものと思われます。
また高齢化は、日本のみならず、各国でも生じてきています。日本の経験が今後、各国で参照されるようになることは間違いありません。
高齢化や外国人の増大を単に不安がるのではなく、そこから価値を創造する生き方、またそのための知恵が、今こそ求められるのではないでしょうか。
この記事の取り組みは、以下の目標に寄与することを目指しています
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●目標3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
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●目標11.住み続けられるまちづくりを
包摂的で安全かつ強靭(リジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
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●目標17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
