2025.01.24
ブランド設立10年、人気服飾クリエーターAyanoさん。日本各地のメイド服やコスプレ・アイドルの衣装を製作
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服飾クリエーター・Ayanoさん。
着る人の喜ぶ姿だけでなく、さらにその先を想像して、衣装を製作する。衣装は、一点一点丁寧に手作業でつくられており、その品質の高さから、コンセプトカフェやアイドルの衣装など、日本各地から注文が途切れない。順風満帆に見えるキャリアも、決して平坦な道のりではなかった。悩みながら、もがきながら、自分の心と向き合い 「昨日よりも前へ」一歩踏み出してきた経験を語ってもらった。
着る人の美しさを際立たせるオーダーメイド衣装
Ayanoさん:Ayanoです。オーダーメイド衣装R-Libertyというブランドを立ち上げて10年間やらせて頂いています。服飾クリエイターという形で活動しています。 今は、メイド服のエプロンを作っています。多い時だと(月に)10着ぐらい作ったりもしますけどね。
Ayanoさんがつくる衣装は、一点一点丁寧に手作業でつくられており、その品質の高さから、コンセプトカフェやアイドルの衣装製作など、注文は途切れない。三重県のアトリエで、日本各地から依頼を受けている。
Ayanoさん:(仕事のやりがいは)お客様にその商品をお届けして喜んで頂けている姿を見ることですね。本当に何にも代えがたいというか、なんかお金とかよりも、むしろそっちのために仕事しているというかそっちがやりがいになっているようなところはありますね。
Ayanoさんが製作したメイド服は、鹿児島の観光PR団体の活動にも使用されている。
メイド服を着用した方の声:「見た目以上に、軽くて、地面に座ったりした時に、スカートの裾が、こう円を描くようになるのが、女性の美しさっていうものが際立つなって感じます。」
「自分は感じなくても周りになんか雰囲気違うなと言われることもありまして、そういう魔法は絶対あると思います。作り手の気持ちも、手も込んでいるからだと思います。」
学生時代にブランドを立ち上げ、キャリアを築き上げてきたAyanoさん。
しかし、それは決して平坦な道のりではなかった。
10か月の休学生活。いつもの風景にみつけた希望とは
Ayanoさん:(服飾の)専門学校に入学して1年目は皆勤だったんですよ。2年目の後半ぐらいかな、から、ちょっとずつこう休む日が出てきちゃって。忙しすぎてっていうのが原因なんですけど。3年になる頃には、ちょっとあの恋愛の問題も絡んできたりとかして、もっと精神的に病んできてしまって。正式に休学したのは確か7月だったと思うんですけど。
10ヶ月くらい休学してから、今のこのブランドを立ち上げるまでの間とかは基本一日中ベッドの上にいて、死んでるような生活をしてました。
一人暮らしの部屋。ベッドに横になりながら、あるものが目に留まった。
棚の上に置いてある小さな仏壇。彼女の家は祖父母の代から創価学会の信仰をしていた。
Ayanoさん:横になってて、横になった目の前に、御本尊様があって。いつも見てる風景のはずなのに、何故かその時、フッと、うぅんって思っちゃったんですよね。もうどうせ死んでもいい命だったら、ご本尊様に預けてみようって。勤行唱題と聖教新聞読むだったりとか。全部の会合に出ようと思って。そっからはじめましたね。
一個一個の会合終わったあとの、清々しさみたいなものはあって、泥のように膿のように、いろんな、こうドロドロしたものが、ちょっとずつ清掃されていったような気分になっていったっていうか。すごく新鮮な気持ちにもなったりもしていたし。
日々の創価学会の活動の中で、少しづつ元気を取り戻していくAyanoさん。
祈り続ける中で、新たな挑戦への一歩を踏み出した。
オーダーメイドのブランドを起業
Ayanoさん:自分が好きなことで挑戦してみようかなーっていうフッと思ったのが、(学会活動を)頑張りだしてから大体1ヶ月後ぐらいだったんですよね。当時お金もなかったし、無店舗で、できて、在庫を抱えなくていいって、どんな事があるんだろうって考えた結果。オーダーメイドだったらイケるじゃんと思って。オーダーメイドのブランドにしようって決めたんですよ。
ブランド名は「R-Liberty」。
Ayanoさん:光り輝く自由。あなたの個性を自由に光り輝かせることができるブランドっていう意味で「R-Liberty」にしました。
休学中にブランドを立ち上げ、卒業後も仕事を軌道に乗せるため、挑戦を続けてきた。
Ayanoさん:facebook で、社長っていうワードで検索して、手当たり次第友達申請を送りまくるっていう、最初は(うまく)いったら良いなってぐらいのテンションだったんですけど、ちょっとずつ仕事をいただけるようになってきて。今は企業さんからのオーダーも増えてますし、海外からのオーダーもちらほら頂けるようになりましたね。
がむしゃらに走り続けてきた10年。
それは、不安定な心の問題と向き合い、一進一退を繰り返してきた日々でもあった。
どんな時も、前へ前へと歩み続けてきた
Ayanoさん:(軌道にのっても)仕事してんだか病んでんだか、よく分かんない、みたいな時期も結構多くあったんです。未だ、メンタルという意味でたまにダメになる日があるんです。
私が元々そういう性質だったと思っていて、そういう性格と一緒で、多分、一生付き合って行かなきゃいけないと思っていて。
トンネルを抜けたみたいに、急に明るくなった、っていうことは無くて。真っ暗なところに、ちょっとずつ照明を「ハッ、ハッ、ハッ」って、こう明るくしていったような感じっていうのが1番近いと思うんですけど。
Ayanoさん:自分ではどうしようもない悩みにぶち当たった時に、この祈りがあるって言うことは、これ以上手を尽くすことができない状況に陥っても、それでも祈ることはできるっていうのってかなり大きな違いだと思っていて、何かあった時に強くあれる、前を向いていられる自分になれるっていうのはあるかなと思います。
「よし、できた。いい感じですね。いい感じにできました」
「うん、かわいい」
今も苦んでいる人へメッセージ
Ayanoさん:どんな人にも言えることは、ドン底にいる時って、水を飲むのも辛いみたいなのことがあると思うので。少しづつ一歩ずつでいいから、今までよりも、昨日よりも進めたって思えることを積み重ねていってほしい。出来るか、出来ないかって、あんまり重要じゃなくて、トライすること、それ自体にすごく意味があると思うので。とてもしんどいけれども、そこで一歩踏み出す勇気を持って欲しいかなと思いますね。
Ayanoさん:今まで、これは、出した国を塗ってて。これが全部塗れたらいいなと思いながら、オランダからオーダーをいただけたので。ここが塗れますね。