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“日本一優しい、犬のシャンプー屋さん”人気ペットグルーマーに密着

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ペットグルーマー(ペットの美容師)・渡辺和明さん。
「日本一優しい犬のシャンプー屋さん」を看板に掲げ、ペットサロン「Grooming space simple」を経営している。業界の第一人者として活躍する渡辺さんの仕事の現場に密着した。

ペットとの信頼から始める「ラポールグルーミング」

  

「日本一優しい犬のシャンプー屋さん」を看板に掲げ、サロン「グルーミングスペース シンプル」を経営している。ここには、吠える、噛む、暴れるなど、他では扱えないといわれた犬が多くやってくる。

  

お客さん:嫌なことされると、噛む癖がちょっとあったんですね。それで紹介されてこちらに。大好きだもんね。喜んで飛んできますもんね。

  

  

ペット、そして飼い主の心もつかむ渡辺さんは、創価学会の地域のリーダーとしても活躍している。
そんな渡辺さんの仕事に密着させてもらった。

  

朝10時、困り果てた飼い主が渡辺さんの評判を聞きつけて来店した。

  

渡辺さん:おはようございます。

  

お客さん:おはようございます。
すごい吠えちゃって。ちょっと触ろうとしたりすると噛んじゃうというか

  

  

サスケくんは、10年間サロンでのトリミングカットが一切できなかったという。

  

渡辺さん:大丈夫だと思いますので、安心してお預けください。

  

お客さん:ほんとに家族以外の方に会わせるってことがなかったので。初めての経験なので、ちょっとどうなるかというのは未知ではありますね。

  

渡辺さん:急に触るのが可哀そうなので、まず、この場所に慣れてもらう。それからちょっとずつ触ってってアプローチしていって。怖くないよ。こんなおっちゃんよって言いいながら。おやつ食べられる子はあげたりとか。

  

自らあみだしたこの手法を、渡辺さんは「ラポール・グルーミング」と名付けた。

  

渡辺さん:ラポールグルーミングというのは、まず犬との信頼関係を作ってから、触ったり、カットしたり、シャンプーをやっていかないと、犬も人も辛いよって。

  

きっかけは、グルーマーの専門学校に通っていた頃の苦い経験からだった。

  

渡辺さん:学校に入って半年ぐらい経ったときに子犬のシーズーがいて。その時に、こっちも必死になって自分が習ったことをやろうと、押し付けてしまったときに、すごい反発が生まれて。
もう、これは俺にはできないなって。周りを見たら、同級生たちもみんな真っ赤な顔して、怒ってトリミングをやってたんですね。でも、僕らは動物が好きでこの学校に入ってきて、なんでその対象に向かって怒ってるのかなって。「じゃあ、なんでこの子は嫌がるのかな」って、自分で考えて作業をやっていたのが1番のきっかけですかね。

  

来店から2時間後。少しづつ、サスケくんの施術が始まった。

  

  

渡辺さん:嫌だね。怖いね。まずは、触れるところから。これで、嫌な思いをしているからね。こわいね。
ほら平気。あら、上手、押さえつけてないんですよ。下から支えてるだけなんですね。おりこうだね。

  

  

渡辺さん:毛がグッと引っ張られた状態で、皮膚がつっちゃってる感じです。毛がもつれていると、どうしても引っかかるので、引っ張っちゃうと痛いんですね。最低限の引っ張りでほぐしているので、ほどいている。首周りの毛玉がすごいんですね。こういうのは切り取り線を入れて、毛を残しつつ毛玉を処理していくっていう。

  

ペットの気持ちに寄り添うことを一番に考えて手を進める。
そんな渡辺さんは、子供の頃から、動物が大好きだった。

進学での挫折、経済苦の日々。それでも希望を失わなかった。

  

1973年、神奈川県生まれ。幼い頃から、創価学会員の両親の姿を見て育ってきた。
高校入学後は、獣医を目指した。獣医学部の受験に3回挑んだが、夢は叶わなかった。
それでも動物に関わる仕事がしたいと、グルーマーの専門学校へ進学。
卒業後は、グルーマーだけで生計は成り立たず、運送業と掛け持ちした。

  

  

渡辺さん:いつも、ギリギリっていう感じでしたね。貯蓄は一切できなかったですし。
(奥さんが)上手くやりくりしてくれてたっていうのは、ありますけど、当時は子育て3人もいたので、ギリギリの生活をずっとしてた感じですね。

  

それでもグルーマーの道をあきらめなかった。
創価学会で学んだ希望の哲学が渡辺さんを支えた。

  

渡辺さん:何とかこの経済苦をっていう形で、夫婦で祈ったり、両親の姿を見ていたというのもあるので。最初は、どうすればいいか分からないけど、やっぱ祈っていくしかないなって。

  

寝る間を惜しんで働く日々が、10年以上続いた。
2011年、38歳。念願のペットサロンを開業。
すぐに軌道に乗ったわけではなかったが、祈り、動く日々を繰り返した。

  

信心があったから、ブレずに前に進めた

  

渡辺さん:(祈って目的を)明確にしていくと、何をしていかなきゃいけないという、知恵も湧いてくる。

  

SNSでグルーマー仲間と繋がり、互いに情報共有することで、初めて知る事も多くあった。
ドッグトレーナーなど、専門家のもとへ足を運び、知識を得た。

  

渡辺さん:よく池田先生が「(仕事と信心)両輪を回していかないと真っすぐ前に進まないんだ」とおっしゃってた言葉を本当に思い出すんですけど、学会活動も一生懸命やって、仕事も一生懸命やっていかないと、それが本当にきれいにかみ合ったときに前に進むんだなというのは感じました。

  

今では首都圏各地から、予約が絶えない人気店になった。

  

渡辺さん:(日蓮大聖人の言葉にある)「冬は必ず春となる」っていう、どんなに苦しいことがあっても、必ず、幸せが訪れるよっていうのが、何度も、挫折を経験してくると、本当に身に染みて感じることになって。⾃分の元に御本尊様があって、⽇蓮仏法、その哲学があるからこそ、ブレずに前に進めるっていうのが、この信⼼の上での、⼀番⼤きなところかなというふうに思います。

  

サスケくんの施術が終わった!

  

渡辺さん:ダックスなんで、足が短いし、持たれるのが嫌いっていうので、今ワシャワシャ触っていますけど、でも嫌がらない程度の触り方。

  

  

サスケくんの施術が終わったのは15時。来店から5時間が経っていた。

  

お客さん:すごい。泣きそうになりました。ありがとうございます。

  

  

ペットと飼い主から笑顔がこぼれる。渡辺さんにとって、何よりもうれしい瞬間だ。

体力維持で始めたスポーツでは、世界ランキングに入ってしまった。
まもなく50歳を迎えるが何事にも全力だ。渡辺さんの夢は「ペットの文化を向上させること」。
そのために、全国を回り、セミナーを開催。テレビにも何度も出演するようになった。

  

  

渡辺さん:(ペット)業界全体を、底上げしていくような活動を、日本のみならず、世界に向けて発信できるように何でも、みんな笑顔になれるように、もう止まらず、信心根本に、ひたすらに自分自身も楽しみながら、突き進んでまいりたいと思っております。