ガルブレイス博士と池田大作先生の対談集『人間主義の大世紀を-わが人生を飾れ』

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池田大作先生と「経済学の巨人」と評されたアメリカの著名な経済学者で、ハーバード大学名誉教授だったガルブレイス博士との対談集『人間主義の大世紀を-わが人生を飾れ』を紹介します。

ガルブレイス博士と池田先生の対談集『人間主義の大世紀を-わが人生を飾れ』(潮出版社)
『人間主義の大世紀を-わが人生を飾れ』(潮出版社)

  

二人の最初の出会いは1978年、場所は東京。身長2メートルを超す博士は、初対面の池田先生に「身長ほどに危険な人物でありません」とユーモアで語りかけました。

このとき博士70歳、池田先生50歳。この出会いの様子は、小説『新・人間革命』「常楽」の章でも紹介されています。以来、二人は博士の自宅などを含め、何度も語り合う関係となりました。

そうしたつながりの上に、1993年に池田先生がハーバード大学で2度目の講演(「21世紀文明と大乗仏教」)を行った際は、博士が自ら「講評」を買って出ました。

『対立の世界』ではなく『対話の世界』をつくろうとした二人

本書は博士の逝去前年(2005年)にまとめられた対談集で、内容は主に、21世紀の平和の文化などについて語り合ったものです。

対談の冒頭、博士自身が、池田先生との共通点として、「世界平和を追求し、『対立の世界』ではなく、『対話の世界』をつくろうとしてきた点」を挙げています。

ルーズベルト政権下の第2次世界大戦のさなか、弱冠32歳にして戦時経済の一切の舵を握る「物価統制官」(米国全体の物価統制の全責任者)の立場にいた博士。

戦争が終わるとトルーマン大統領から日本、ドイツ、オーストリア、韓国の経済政策の担当官を命じられ、敗戦直後の日本を訪問しました。

仕事を通じて日本と深い関わりをもつことになった博士は、その時のことを振り返り、「日本は、私が平和を決意した一つの原点の地」と回想しています。

そうした思いがあるからこそ、「世界で唯一といえる平和憲法をもった国」であり、「核兵器による犠牲となった日本」に期待を寄せ、特に平和分野で「特別なリーダーシップを発揮してもらいたい」と望んでいます。

21世紀を「この世界で生きていくのが楽しい」と言える時代に

ケネディ政権でインド大使を務めた博士は、インドに対しても造詣が深く、池田先生がこれからの時代は米国、中国、インドの3国が世界の中枢の軸になっていくだろうと予想すると、博士もネルー首相との個人的な交友を語り、マハトマ・ガンジーの功績を語りながら、平和的な対話を重んじるインドの伝統に言及しています。

21世紀をどのような時代にしていくべきかと尋ねられた博士は、「人々が『この世界で生きていくのが楽しい』と言える時代」「『殺』ということがなくなる時代」と端的に答え、池田先生も「人間が、人間らしく、平和に生きる」時代と語っています。

21世紀を『人間主義の大世紀』とするために何が必要なのか学べる対談集です。

  

【対談者紹介】 J・K・ガルブレイス(John Kenneth Galbraith)

経済学者。ハーバード大学名誉教授。1908年カナダ生まれ。ハーバード大学教授、アメリカ経済学会会長のほか、ルーズベルト政権の経済顧問、ケネディ政権の政策ブレーンや駐インド大使などの要職を歴任。

また『ゆたかな社会』『経済学と公共目的』『新しい産業国家』『不確実性の時代』などの著作により、20世紀を代表する経済学者としての地位を不動のものとした。

近著に『日本経済への最後の警告』『ガルブレイス わが人生を語る』などがあり、学問の世界にとどまらず広くメッセージを発信し続けている。

  

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