2024.10.04
趙文富博士と池田大作先生の対談集『人間と文化の虹の架け橋-韓日の万代友好のために』
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池田大作先生が韓国・済州大学元総長の趙文富(チョー・ムンブ)博士と編んだ2冊目の対談集『人間と文化の虹の架け橋-韓日の万代友好のために』を紹介します。
二人の対談集1冊目『希望の世紀へ 宝の架け橋-韓日の万代友好を求めて』はサッカー・ワールドカップ日韓共催の2002年に発刊されましたが、2冊目の本書は国交正常化40周年を迎え、日本と韓国の「友情年」と定められた2005年に出版されました。
両国の国民性や社会性の違いが大きなテーマ
前著では、主に日韓の歴史的な背景が話題にのぼったのに対し、本書では両国の国民性や社会性の違いなどが大きなテーマになっています。さらにその違いを乗り越える、教育や文化について話が進みます。
例えば、日本と韓国は同じ中国文化の影響を受けながらも、韓国では合理的な独自の文字「ハングル」が使用され、結婚後も女性の姓は変わりません。
こうした日本と異なる面がある一方で、隣国としての交流の歴史から、似ている面も多く残されています。例えば「ナラ」は韓国語で「国」を意味し、日本の「奈良」はその名残であること、また日本の味の代表とされる「味噌」も、もともとは韓国語であったことなどが紹介されています。
世界全体を「わが祖国」とする人類愛の重要性
前著と同じく本書でも「教育のあり方」について、多く語られます。
国家意識の壁を破るための大きな土台が教育や教育交流であり、それは世界全体を“わが祖国”とする人類愛、世界愛を基にしたものでなければならないと主張します。
その反面、ことさら自分の民族の優位性を強調する愚かさも指摘し、歴史を公平に見つめることは決して「自虐的史観」ではないと強調しています。
韓国と日本に「宝の橋」を掛ける決意
本書では、創価学会の戸田城聖第2代会長の就任式において、戸田会長が韓国人の一人の婦人を演壇に招き、心から励ましを送ったことも紹介されています。
当時、戸田会長は朝鮮戦争をはじめとする、韓半島の民衆の苦悩に胸を痛めていました。戸田会長のその時の姿が、韓日友好を願う池田先生の原点となっているとも語られています。
最後に、二人はこれからも両国に「宝の橋」を架けていきたいと決意しつつ、青年たちが韓日友好の道を開いていくことに期待を寄せています。
前著の『希望の世紀へ 宝の架け橋』に引き続き、韓日友好のヒントがつまった希望溢れる1冊です。
【対談者紹介】 趙文富(チョー・ムンブ)
1932年12月13日、韓国・済州道生まれ。ソウル大学校法科大学行政学科卒業。国立済州大学講師、助教授、教授を経て、1997年より2001年2月まで同総長。現在、同名誉教授。
政治学博士。東京大学客員研究員、米国エール大学客員研究員、韓国地方自治学会常任理事等を歴任。国民褒賞、青条勤政勲章等を受賞。
著書に『法と公害』『予算決定過程の構造と機能-比較的視点から』(日本語)など、論文に『済州島の住民運動とその意味』『韓国公務員制度の特徴-日本の公務員制度と比較して』(日本語)などがある。
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