2024.11.29
持続可能なインド社会の建設へ ~インド創価学会の貢献~
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近年大きな発展を遂げてきたインド創価学会(BSG)。BSGは今、「IT大国」のインドらしくそうした技術も活用しながら、持続可能な開発目標(SDGs)推進の活動にも、熱心に取り組んでいます。
インド創価学会とSDGs
BSGは、社会がいまだコロナ禍にあえでいた2021年7月より、「BSG for SDG」と銘打ち、SDGs推進の準備を開始しました。
その背景にあるのは、「一人も取り残さない社会の構築」とのSDGsの根底にある精神を、より広く社会に浸透させていきたいとの思いです。メンバー自身がSDGsの17の目標について学ぶとともに、一人の心の変革から世界を変えていけるという信念のもと、足もとから行動を起こすことを促しています。
具体的な活動の1つに、専用アプリとウェブサイトの活用があります。2022年8月に立ち上げられたこのアプリは、「持続可能性」という概念について、誰もが読んで理解できるよう、簡易な説明を設けています。また利用者は、同じようにSDGsに関心を持って活動する1人1人とのつながりを感じられるほか、個々人が取り組める「持続可能性のための行動」を学ぶことができます。
特に、最近実装された「カーボン・フットプリント計算」機能では、一人一人が電気や燃料消費の抑制などを通じて、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出をどのくらい抑えることができたかを、数値にして確認することができます。こうした「見える化」は、具体的な行動の改善につながっています。
若者が主体となって展示会を開催
さらにBSGは2021年より、環境展示「希望と行動の種子――SDGsの実現のために」(SGIと地球憲章インタナショナルが共同制作)をインド国内の各地で開催しています。2023年8月には72会場目を数えましたが、その多くは小中高や大学で、若い世代の意識啓発に努めてきました。この展示会は、青年世代の気候変動問題に関する意識を向上させるとともに、SDGsそのものへの理解を深め、青年自身が果たす役割の大きさを認識する、良い機会となっています。
BSGの展示活動は他の分野のものもありますが、無力感に苛まれかねない現代社会にあって、学生をはじめ多くの人々に、一人の人間が持つ力、なかんずく環境の変革における影響力の大きさを伝える上で、とても大きな意義を有しています。
2022年からは、小中高や大学における「SDGクラブ」の設置支援を始めました。持続可能な社会を担い立つ青年世代の育成を主眼としています。各クラブでは月に1度集い、さまざまな角度から「持続可能性」についての討議を行い、具体的に日常生活でどう行動するかなどを議論しています。
今日までに15以上の教育機関にSDGクラブが発足し、400人以上の「SDGアンバサダー」が任命され、1万人以上の生徒が参加しています。
学ぶ、見直す、行動する
その他、「持続可能」に関係するテーマについて、具体的には、青年と持続可能な社会との関係性や、女性のエンパワーメント、気候変動など、2カ月に1度の頻度で「SUSTAINABLE(持続可能性)」と題したEニュースレターをオンラインで発行しています。2002年に池田大作先生が「環境提言」で提唱した、教育の3つのステップ(①現状を知り、学ぶこと②生き方を見直すこと③行動に踏み出すためのエンパワーメント)に沿って構成されたニュースレターは、好評を博し、メンバーのみならず、BSGのパートナー団体など10万人を超える人に希望と勇気を送っています。
2023年からは、脱プラスチックの流れを強めるために、「Say No to Plastic」運動を開始しました。メンバー一人ひとりがビニール袋やペットボトルを使わないとの誓いを立てて、身近なところから行動に移しています。この運動は高く評価され、有名な女優や志を同じくする団体からも後押しを受けています。
なぜ今SDGsを推進するのか
池田先生は、国連についてこのように述べられたことがあります。「私どもSGIは、国連諸機関や他のNGOと協力しながら、軍縮や環境などの諸問題に対する意識を喚起し、地球市民意識を啓発するための活動を広げてきました。それらはいずれも、『国連が成功するか否か』といった発想ではなく、国連を有効に機能させるために『我々は何を為すべきか』『何が出来るか』という問題意識と責任感から出発したものでした。」と。
国連がSDGs達成を掲げた2030年に向けて、それぞれの地域に根付いた一人ひとりの行動を最大に称えながら、BSGはSDGs推進の活動に取り組みます。
この記事の取り組みは、以下の目標に寄与することを目指しています。
●目標12. つくる責任、つかう責任
●目標13. 気候変動に具体的な対策を
●目標14. 海の豊かさを守ろう