2025.01.10
「ビジネス界からの警鐘 #だから1・5度」 今井雅則氏(JCLP共同代表)
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JCLPは、「脱炭素社会」の実現を目指す企業グループとして、意識啓発のキャンペーン「#だから1・5度」をスタートしました。共同代表の今井氏が、ビジネス界から気候変動への警鐘を鳴らします。
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建設業を含むエッセンシャルワーカーが、今大変なことになってます。命がけで作業してるところがございます。休憩を取るとか、空調服を使うとか、さまざまな対策はしてますが、作業してて亡くなることが結構出てきてまして、やっぱり温度自体を下げていかないと、防ぎきれないという話になってきています。
夜に作業をやるとか、一定期間は休みにするとか、いろんな対策を取っていかないといけませんが、経済的にも、ものすごくマイナスです。
対策の元は何かと言ったら、やっぱり「脱炭素」です。CO2を減らしていって、(温室効果ガスを)出すことを止めていかないと、どんどん悪い状況になりますので、脱炭素っていうのは、ものすごく大事なことだと思います。
私たちがそういう厳しい状況の中で仕事してるからこそ、危機感を持ってるかもしれませんが、現実に責任を持たないといけないんだと思います。
また、危機感を持っているにもかかわらず、世の中はほとんど進んでいないような感じもあります。だから「2050年の脱炭素達成の目標」だとなかなか可視化できない、その間のステップが見えないということもあって、それで「#だから1・5度」というのが出てきたのです。
JCLPでキャンペーンを張ったり、広告を出させていただいたり、提言活動をしておりますのも、みんなが考えて、みんながその気になって、みんなが当事者ですから、そうなっていただきたいと思っての活動です。今のキャンペーンは皆さんのためです。
一方で、例えば、部品を作っている人たちは、脱炭素のグリーン・エネルギーで作った部品しか、グローバル企業は買ってくれないという状況になってきてますので、意識的には高まりつつあると思います。
JCLPの中に入っている企業は、脱炭素を自分のビジネスにしようと思って、一生懸命活動しています。再生エネルギーを提供することを自分の生業としている企業さんもいらっしゃいますし、浮体式洋上風力発電などでも、開発は10年ぐらいはかかります。
だから大きく移行していくためには、何十年単位で考えていかないといけないので、すぐに、早くやらないといけないんです。「この時にこれが欲しいから早く」と言っても、それは無理な話なんです。
それを見える化してあげないといけないということです。産業政策としては、今何をしないといけないのかということを、バックキャスティング(逆算)していかないといけません。政治だけでは無理かもしれませんが、その人たちを応援してあげる人たちがどうしても必要です。
JCLPもそうですし、他の脱炭素の団体なんかもそうだと思いますが、若い人たちが、将来こうしてくれっていう発信をしていくことがが、一番大事なことだと思います。
この記事の取り組みは、以下の目標に寄与することを目指しています。
●目標13. 気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る。