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戸田平和研究所がワークショップ アジア太平洋リーダーシップ・ネットワークと共催

公開日:

北東アジアの核リスク巡り議論

  

会議では、北東アジアの核リスクを巡り、活発に意見が交わされた(22日、都内で)


戸田記念国際平和研究所(スタイン・トネソン所長)が、核不拡散・軍縮に取り組む有識者の研究組織「アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)」との共催で2026年9月22、23の両日、ワークショップ(研究会議)を都内で開催した。

これには、日本、韓国、アメリカ、インドなど9カ国・地域から19人の研究者や専門家が参加した。

同研究所は1996年2月11日、池田大作先生によって創立された。第2代会長・戸田城聖先生の「原水爆禁止宣言」に込められた生命尊厳の思想を基本理念に、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けた研究活動を続けている。

今回のワークショップのテーマは、「北東アジアにおける先制攻撃の圧力、核のタブー、そして核拡散リスクへの対応」。北東アジアでは近年、核戦力の増強や安全保障環境の不透明化が進み、核兵器使用リスクへの懸念が高まっている。

こうした情勢を踏まえ、同研究所はAPLNと共同で「北東アジアにおける核リスク管理」プロジェクトを推進してきた。

ワークショップでは、核リスクを低減するための実践的な政策提言の取りまとめを目指し、先制攻撃を誘引する要因や、「核兵器を使用してはならない」との規範である「核のタブー」を強化する方策、核拡散リスクへの対応などについて議論した。

初日は、核使用を思いとどまらせる国際的規範の役割や、北東アジア地域における核武装論、朝鮮半島情勢と先制攻撃のリスク等を検討した。

一部で広がる核保有論については、核保有に伴う制裁や経済・外交上の負担等の情報が周知されることで、世論の支持が大きく変化し得るとの調査結果が紹介された。

また参加者からは、市民への適切な情報提供や公教育の重要性が指摘された。

2日目は、「核のタブー」強化の観点から被爆地・長崎を例に平和・軍縮教育の現状と課題などについて討議。被爆体験の継承体制は充実している一方で、その記憶や教訓を核軍縮や軍備管理といった政策課題と結び付けて考える取り組みは相対的に弱いとの意見が出された。併せて、現実の核政策について学生や生徒が主体的に考える力を養う必要性を議論した。

また、核の「先制不使用」は戦略的安定に寄与するとの指摘があった。

2日間を通して参加者は、攻撃の意図がないことを相手国に示す「安心供与」を重視すること、危機に備え透明性と連絡手段を確保すること、核問題を社会的に議論していくことなどが重要な課題であるとの認識を共有した。

今後は今回の議論を踏まえて研究論文を精緻化し、国際学術誌への掲載を目指す。

ワークショップの成果は、同研究所のウェブサイトでも公開される予定である。