アメリカ・池田国際対話センターで第18回 文明間フォーラム

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アメリカの池田国際対話センターで行われたフォーラム。マサチューセッツ大学ボストン校のタン教授(壇上右)、ロス准教授(同中央)が登壇した

 

アメリカの「池田国際対話センター」(創立者=池田大作先生)の第18回「文明間の対話のための池田フォーラム」が2022年10月14日(現地時間)、マサチューセッツ州ケンブリッジ市の同センターで開かれた。

同フォーラムは、2004年以来の伝統。池田先生の思想を軸にしながら、学識者の講演、参加者の議論を通じて、より良き世界の実現への方途を探ってきた。コロナ禍により昨年、一昨年はオンラインで開催された。

 
今回は「対話」と、体験談やエピソードを話す「ストーリーテリング」がテーマに。これらは他者の胸の内に迫り、自らの意見を伝える上で重要な手法として、近年はビジネスや教育の現場でも注目されている。

 

フォーラムの登壇者と池田国際対話センターのスタッフが記念のカメラに

 

フォーラムでは、国籍や人種、世代などの枠にはめて個人を見る傾向が目立つ今、どのように他者への理解を深め、人類としてのつながりを見いだしていくかについて議論が交わされた。
 
マー所長のあいさつの後、アメリカ・デポール大学のジェイソン・グーラー教授が、対話に関する池田先生の視点を紹介。自身の態度や信念を注意深く吟味する「内なる対話」を通して、他者や外界との「外なる対話」の有効性が増すと強調した。
 
続いて、マサチューセッツ大学ボストン校のシャーリー・タン教授、カレン・ロス准教授が登壇し、パネルディスカッションが行われた。ここでは、先生とアメリカの著名な歴史学者ビンセント・ハーディング博士の対談集『希望の教育 平和の行進』(邦題)が話題に上がった。
 
タン教授は、学生と共に授業で進めている取り組みに言及。映像等を用いて自らの物語を話す実践によって、人生における出来事の意義を再発見でき、他者との心通う対話を一段と進めることができると訴えた。
 
ロス准教授は、思想の違いによって起きた対立の解決に尽力した事例を紹介。相手を理解した上での対話ではなく、理解するために対話を選び取ることが肝要であると語った。
 
また「他者の経験に耳を傾けるために、必要不可欠な要素とは何か」などについて、グループに分かれて議論した。
 
参加者からは「普段の生活の中で、周囲の人たちと自らの経験を共有していきたい」などの声が寄せられた。