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オスロでノーベル平和賞フォーラム ノーベル研究所主催 SGIが後援団体として参画

公開日:

核兵器の先制不使用を巡るワークショップ
被爆者と青年の対話行事も

  

各国の研究者や識者が参加したノーベル平和賞フォーラム(11日、オスロ市のオスロ大学で)

  

ノーベルウイークの主要行事であるノーベル平和賞フォーラムが2024年12月11日午前(現地時間)、ノルウェー・オスロ市のオスロ大学で開催された。ノルウェー・ノーベル研究所が主催し、SGI(創価学会インタナショナル)も後援団体として参画した。
 
核兵器使用の危機の克服をテーマとしたフォーラムでは、冒頭、「平和のためのヒロシマ通訳者グループ」代表の小倉桂子氏と、日赤長崎原爆病院の名誉院長である朝長万左男氏が被爆証言を行い、市民一人一人に社会変革のための大きな力があり、皆で核兵器廃絶のために行動を起こそうと呼びかけた。
 
基調講演を行った国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は40年前、ある病院で被爆者と出会い、衝撃を受けたことを述懐。NPT(核兵器不拡散条約)体制の弱体化による影響を指摘しつつ、被爆者の声を胸に刻み、各国のリーダーが、より強い責任感を持って核兵器の課題に取り組むべきであると語った。
 
その後、二つのパネルディスカッションが実施された。
 
一つ目は、“核兵器の脅威”をテーマに行われ、核兵器使用の威嚇が国際社会で繰り返されるなど、核兵器を忌避する“核のタブー”が損なわれている等の課題について議論された。
 
このうち、ストックホルム国際平和研究所の大量破壊兵器プログラムのディレクターを務めるウィルフレッド・ワン氏は、AI(人工知能)や人間の誤操作による核兵器使用の危険性を述べ、核抑止論からの脱却を訴えた。
 
続いて二つ目のディスカッションでは“核兵器の脅威を解決するために”をテーマに議論が交わされ、核兵器使用による被害についての最新研究や、次世代の人材を育む軍縮教育の重要性が話し合われた。
 
アメリカ・ブラウン大学政治学部上級講師であるニーナ・タネンワルド氏は、核兵器廃絶を実現するための大切な一歩として、核兵器の先制不使用政策の重要性を強調。核兵器を使用しないという大国間の信頼を醸成する必要性を語った。
 
11日午後には、オスロ大学のキャンパスでSGIが主催する“被爆者と青年の対話イベント”が実施された。これにはICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のメリッサ・パーク事務局長、小倉氏、朝長氏が登壇。地元の高校生らが参加した。
 
また同日、オスロ大学のキャンパスで、SGIや同大学等が共催し、各国の専門家によるワークショップを開催。核兵器の先制不使用を巡り、活発な議論が行われた。

  

SGIが共催するワークショップ。核兵器の先制不使用政策を巡り活発な議論が交わされた(同)