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戸田平和研究所の学術会議 スイス・ジュネーブで民主主義の課題克服巡り

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戸田記念国際平和研究所とCCDPによるワークショップ。各国の識者が「民主主義の危機と課題」を巡り意見を交わした(6日、スイス・ジュネーブで)


戸田記念国際平和研究所(ケビン・クレメンツ所長)の学術会議が今月、国内外で開催された。
 
スイスのジュネーブ国際・開発研究大学院の紛争・開発・平和構築研究センター(CCDP)との共催によるワークショップ(研究集会)は2025年6月5、6の両日(現地時間)、ジュネーブのCCDPで開かれた。
 
今回のワークショップは、戸田平和研究所が推進するプログラム「民主主義の危機と課題」の一環。「21世紀の民主主義――脆弱性と回復力」をテーマに、アメリカ・ラトガース大学のロバート・カウフマン教授、オーストラリア・シドニー大学のジョン・キーン教授をはじめ、チュニジア、ブラジル、インド、フィリピン、ドイツなどから学識者が集い、意見交換した。
 
戸田平和研究所は明年2月、創立30周年を迎える。創立者・池田大作先生は、かつて同研究所の国際会議に次のメッセージを寄せた。
 
“今、要請されているのは、国境を意識することなく、ともに栄えようとするグローバルな発想をもった民衆同士の連帯である。それが真の民主主義を基盤にした地球民衆社会を築く中核の勢力となりゆくからだ”
 
同研究所は、創立者が示した指針のもと、安全保障や気候変動、民主主義の危機をはじめ、21世紀の世界が直面する深刻な問題に向き合い、解決への方途を探ってきた。
 
昨年5月には、同研究所が支援し、キーン教授の監修で制作されたウェブサイト「民主主義の灯台」(英語)を公開。世界各地の民主主義研究の多様な情報を集約・提供するプラットフォームとして、今後もさらなる内容の充実が図られる予定である。
 
ジュネーブでのワークショップでは、各国・地域における昨今の民主主義の状況を報告。政治体制などのほか民主主義に影響を及ぼす新たな要因として、技術の進展で情報共有が容易となった一方、偽情報等の拡散により政権、政策に対する評価や判断の混乱、扇動が起きているとし、有効な対策が急がれることが指摘された。
 
また、文化、宗教の壁を越えたNGOなどによる包括的な対話、協調の促進が、民主主義の回復力にとって重要であるとの議論もなされた。

東京では北東アジアの安全保障をテーマに

  

東京で行われた「北東アジアの平和と安全保障」プログラムの研究会議(13日)


さらに、13、14の両日には「北東アジアの平和と安全保障」プログラムの研究会議も、東京・新宿区の同研究所で開かれ、紛争回避に向けた「安心供与」について議論が交わされた。
 
両会議で同研究所のクレメンツ所長があいさつした。