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オーストラリアで戸田平和研究所が学術会議

公開日:

専門家が活発に議論
テーマ:アジア太平洋の気候、平和、安全保障

  

気候変動に関する戸田研究所の学術会議。活発な意見交換が行われた(オーストラリア・キャンベラで)


戸田記念国際平和研究所(ケビン・クレメンツ所長)の学術会議が2025年7月14、15の両日、オーストラリアの首都キャンベラで開催された。同研究所が推進する、「気候変動と紛争」プログラムの一環である。
 
同プログラムでは、気候変動や紛争によって引き起こされる負の影響について研究。特に、深刻な海面上昇の影響を受けている太平洋の島嶼地域に焦点を当てており、現実に苦しんでいる“民衆の側に立つ”研究となっている。
 
今回の集いは、オーストラリアのシンクタンクである「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」、ドイツのシンクタンク「アデルフィ」との共催によるもの。「アジア太平洋地域における気候、平和、安全保障、地政学的協力の推進」をテーマに開催され、アジア太平洋地域を中心とした識者、学者に加え、イギリス、ドイツ、カナダなどの政府関係者らが参加した。
 
会議では、危機に瀕している太平洋の島嶼国の現状を確認。海面上昇による国土の浸水や移住を余儀なくされるなどの直接的被害は、住民のアイデンティティーや精神的資源の喪失といった、文化的な安全保障も脅かすとの指摘があった。
 
その上で、そうした国々の経験や取り組みを、他地域の専門家らと共有し、交流していく枠組みを構築していくことなどが提案された。
 
詳細な会議報告は、同研究所のウェブサイトで後日公開される予定である。

  

戸田研究所の学術会議の参加者が記念のカメラに(同)