2025.04.26
いつまでも挑戦し続ける心 ~日蓮大聖人のことば~「従藍而青」
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「人生100年時代」。
私たちのライフプランは大きく変わり始めています。
キャリアや暮らしを見つめ直し、人生を再設計する。
長い人生を自分らしく描き直している人も、多いのではないでしょうか。
「学び」や「挑戦」に、年齢の制限はありません。
いつでも、新しい一歩を踏み出した先に、まだ見ぬ可能性が広がっています。
いつまでも「挑戦し続ける心」。
それは、日蓮大聖人が、常々門下に教えられてきた信仰の姿勢でもあります。
その教えをひもといてみましょう。
「従藍而青」とは
皆さんは「従藍而青」という言葉をご存じでしょうか?
この言葉は、中国の思想家・荀子の言葉「青はこれを藍より取りて、しかも藍より青し」に由来します。「藍」という植物を使って繰り返し布を染めることで、元の藍の葉よりも濃く鮮やかな青色に染める技法「藍染め」から生まれたものです。
日蓮大聖人は、この「従藍而青」を「後継者が成長すること」と「修行を重ねること」の2つの意味で用いられています。
幼くして父を亡くし、その後を継ぎ、立派に信心を貫いた門下・南条時光には、「後継者が成長すること」を「従藍而青」に例えて、お手紙の中でつづられました。
そしてもう一つ、 “修行を重ねる”ことを、「従藍而青」の例えを通して次のように教えられています。
いよいよ強盛の御志あるべし。氷は水より出でたれども、水よりもすさまじ。青きことは藍より出でたれども、かさぬれば藍よりも色まさる。同じ法華経にてはおわすれども、志をかさぬれば、他人よりも色まさり、利生もあるべきなり。
(乙御前御消息 御書新版1690㌻・御書全集1221㌻)
水からできた氷が水よりも冷たいように、藍の葉から取り出した青の色を重ねることで藍よりも青くなるように、法華経の信仰も志を重ねることで誰よりも優れ、福徳も増していくと仰せです。
日蓮大聖人は、法華経の修行を「藍染め」に譬えました。染料で色を重ねて染めるように、法華経の修行も繰り返し実践することで、信心を深め、福徳を増していく。同じ法華経でも、得られる功徳や幸福は、どれだけ信心を深め重ねるかで決まると教えられました。
「昨日よりも今日」、「今日よりも明日」へと祈り、行動を重ね、より強く豊かな自分へと成長し続けるのが日蓮仏法です。
この御文の冒頭では、「いよいよ強盛の御志あるべし」と、ますます強盛な信心を奮い起こしていくよう促されています。
日蓮大聖人は、立派な信心を貫く門下に対しても「いよいよ強盛の信力をいたし給え」「いよいよ御信用のまさらせ給うこと」と、常に「いよいよの信心を」と説き続けてこられました。
順調なときも、うまくいかないときも、常に未来を見すえ、成長と向上を目指し、挑戦を続ける姿勢こそ、日蓮仏法の極意と言えるでしょう。
いつまでも「いよいよ」の決意で
池田先生は、次のように語っています。
毎日が「新しい出発」である。一瞬一瞬がつねに「いよいよ、これから」なのである。過去を振り返る必要はない。大事なのは「今」である。「今この時」を全力で生きぬき、勝ちぬいていくのだ。いくつになっても、若々しい生命力で、前へ前へ!どこまでも、戦う心を燃やしながら、ともどもに「勝利の劇」を飾ってまいりたい!
(2005年8月「各部合同研修会」でのスピーチ)
どんな境遇にあっても、常に希望を忘れず、“いよいよ”の決意で挑戦し続ける。
どこまでも前へ進もうとする志が、自分の心を大きく開いていくのです。