2026.06.26
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東北青年部による「防災意識調査」分析レポート
公開日:
「知っている」から「動ける」防災へ
私にできる“一歩”が命を守る
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防災意識を高め、命を守る文化を育むことを目的とした「みんなのBOSAIフェス」(主催=東北青年部)が、2026年6月14日に仙台市で開催されました。このイベントに際し、東北では青年部を中心に、本年3月から東北6県に住む人々を対象にした防災意識調査を実施し、イベント当日までに2万を超える声を集めました。ここでは、5月までに集まった約1万8000人分の調査の結果を東北青年部による分析とともに掲載します。
※無作為抽出による調査ではないため、地域住民の代表値とはせず、回答者群における傾向を示すものです。
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【ポイント①】災害時の連絡方法について、家族や身近な人との話し合いは一定程度あるものの、具体的な取り決めにはまだ余地がある。
問1「災害時の連絡方法を決めていますか」で、「具体的に決めている」と答えた人は、有効回答の14・5%にとどまる結果となりました。
また、「話し合ったことはある」(26・5%)、「なんとなく決めている」(26・9%)を合わせると、何らかの形で連絡方法を意識している層は67・9%で、大半の人が、家族や身近な人との間で、災害時の連絡についての必要性を感じていることが分かります。
しかし、集合場所や連絡手段まで明確に共有する段階にはまだ十分に至っておらず、具体的な取り決めにつなげることが大切です。
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【ポイント②】ハザードマップは認知されているが、活用はされていない。
問2「ハザードマップをどの程度知っていますか」では、「おおよその理解はしている」との回答が64・4%で、ハザードマップは一定程度認知されていることが分かりました。
一方で、「詳しく理解し、実際に活用している」はどの年代も大きな差はなく、全体の6・4%にとどまり、「知っている」と「使っている」の間には大きなギャップがありました。
今後は、ハザードマップの周知に加え、自宅周辺のリスク、避難場所、避難経路を家族や地域で確認する機会が必要で、日常の判断や行動に結びつけることが求められます。
年代別では、「名前は聞いたことがあるが、見たことはない」と答えた割合が、20代で40・6%、30代で37・4%と高く、シニア層の約2倍に当たる結果でした。80代以上でも「知らない」の割合がやや高い傾向にありました。
また、問1の回答との相関性もあり、ハザードマップを「詳しく理解し、実際に活用している」と答えた層では、51・8%が身近な人との連絡方法を「具体的に決めている」と回答し、連絡方法を「決めていない」は8・5%にとどまりました。
一方、ハザードマップを「知らない」と回答した人のうち、67・8%が家族との連絡方法を「決めていない」と回答しており、双方の因果関係は確定できないものの、本調査ではハザードマップの周知は、“いざ”という時の行動を促進する可能性もあると捉えられます。
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【ポイント③】避難訓練等に参加したことがある人は一定数いるものの、訓練への未参加、開催の有無を把握していない層が半数以上いる。
問3「地域や自治会などの避難訓練等に参加したことはありますか」では、「積極的に参加している」(14・6%)と「過去に参加したことはある」(27・5%)を合わせると、参加経験がある層は42・1%でした。
一方で、「参加したことはない」(40・5%)、「開催されているかどうか分からない」(17・4%)を合わせると57・9%でした。
避難訓練への参加は一定程度広がる一方で、参加していない人、または地域で訓練が行われているかを把握していない人も多いことが分かります。
開催情報が地域住民に届いているか、あらゆる世代が参加しやすい形式かなどを検討する必要があると考えます。
また、問4「近所との関係は、日頃からどの程度ありますか」で、「普段から挨拶や交流がある」と回答した人は、訓練に「積極的に参加している」(20・5%)、「過去に参加したことはある」(30・0%)との回答が高い傾向にありました。
一方で、近所の人を「全く知らない」と答えた層では、訓練が「開催されているかどうか分からない」が38・5%と他の層より高い結果となりました。
また、近所の人を「全く知らない」と答えた層の55・7%が、家族や身近な人との連絡方法を「決めていない」と回答。これは近所と「普段から挨拶や交流がある」と回答した層の2倍に当たります。
一方、近所と交流があると答えた層は、家族とも連絡方法を「具体的に決めている」と回答する割合が最も高いことが分かりました。
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【ポイント④】若者世代では、地域防災との接点が比較的薄い可能性がある。
問4では、「普段から挨拶や交流がある」が63・0%、「顔と名前は分かる」が19・4%で、両回答を合わせると回答者群の82・4%が顔の見える関係があることが分かりました(※本調査は主に人脈を通じて実施したものであるため、社会的に孤立している人が回答に加わる機会が少なかった可能性を留意しなければなりません)。
年代別に見ると、60代で両回答合わせて86・7%、70代で91・1%、80代で92・6%だった一方で、20代で43・6%、30代で53・9%と低い傾向にありました。避難訓練への参加経験も、20代で19・9%、30代で20・2%にとどまり、20代・30代ともに、「参加したことはない」「開催されているかどうか分からない」と回答した人は、それぞれ3割を超えました。
こうした結果にあって、若い世代の訓練参加率の低さを、ただちに防災意識の低さと見ることはできません。むしろ、地域の情報が届きにくい、訓練参加のきっかけが少ない、生活時間帯や参加形式が世代に合っていないなどの課題があるとも考えられます(参考=内閣府「防災に関する世論調査」)。
また問5「災害に備える上で、最も重要だと思うものは?」を年代別に見ると、20代・30代では「物資の備え」と回答した割合が45・5%であり、60代以上の22・8%と比べて高い傾向にありました。これは、若い世代が防災を個人・家庭での備えとして捉えている可能性を示しているといえます。
今後は、備蓄や防災グッズといった身近な入口から、近所への声かけ、地域の訓練参加へと広げることが大切だと考えます。
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【ポイント⑤】 防災は物資・情報だけでなく、日常的な近隣との関係としても捉えられている。
問5での回答は、「物資の備え」(28・1%)、「正確な情報」(26・2%)が上位を占める結果となりました。一方で「地域のつながり」(19・9%)、「助け合いの心」(16・8%)、「日頃の対話」(4・8%)を合わせると41・5%となり、人と人との関係性も重要な要素として選ばれていることが分かりました。
問6「誰もが〈助かる〉社会をつくるために必要なことはなんだと思いますか」の自由記述では、「地域のつながり・近所づきあい」(41・3%)、「日頃の対話・関係づくり」(28・6%)、「助け合い・支え合い」(24・8%)など、声かけや対話、関係づくりと関連づけて考えていることが分かりました。
また「高齢者支援」や「要支援」などの言葉も見られました。国際的な防災枠組の中で重視される“誰も取り残さない”との観点を果たすためには、配慮を必要とする人たちを支える具体的な行動が大切だと考えます。
問7「これからできそうな『小さな防災の一歩』とは?」の自由記述では、「備蓄・非常用品をそろえる」(19・9%)、「日常の小さな心がけ・意識」(19・6%)、「近所への声かけ・あいさつ」(16・8%)、「家族で話し合う・連絡方法を決める」(11・1%)などの具体的な行動を意識していることが分かりました。


【調査から読み解く“地域の防災力を高めるポイント”】
①「知っている防災」から「動ける防災」へ。ハザードマップを知識だけで終わらせず、スマートフォンや紙でマップを開いて、自身の周りの災害リスクを確認することが大切です。
②近隣との交流関係を災害時の命を救う力に変える。日頃のあいさつなどの関係を“いざ”という時の地域のセーフティーネットに育てていくことが、自身のみならず、周囲の命を守る方法になります。
③若者世代の関わりが地域を変える。比較的、地域との接点が薄い若い世代との関わりが、さらなる地域防災の輪を広げる大きな力となります。自分にできる“一歩”が、誰も置き去りにしない防災の実現につながると信じ、東北青年部の一人一人から、行動に移していきます。
