池田大作名誉会長がメッセージ「東北の人材城は厳然」

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2011年3月17日、原田稔会長が宮城の被災地で紹介した、東北の友への池田大作名誉会長のメッセージは以下の通り。(3月18日付聖教新聞2面に掲載)

  


東北の人材城は厳然

私の心も東北にあります。愛する皆様方と一緒です。どれほど痛ましい、甚大な被害か。改めて、心よりお見舞い申し上げます。

胸の張り裂けるような惨状のなかで、皆様方は、菩薩の如く、いな仏そのものの勇気と慈悲と智慧をもって、一人一人の友を励まし、大勢の方々を救ってくださっています。

戸田先生「あなたには創価学会があるではないか」

東北をこよなく愛された、わが師・戸田城聖先生は、よく言われておりました。「いざという時に、人間の真価は現れる。いざという時、絶対に信頼できるのが、東北人だよ」と。本当に、その通りであります。一番、純朴で親切な、一番、誠実で忍耐強い、わが東北の友の偉大な奮闘に、私は心で熱い涙を流しながら、最敬礼しております。

日蓮大聖人は、最愛の家族を失った一人の女性に、こう仰せになられました。
「法華経をたも(持)ちたてまつるものは地獄即寂光とさとり候ぞ」(御書1504頁)と。
いかに深い悲しみや苦しみにあっても、絶対に負けない。妙法を唱え、妙法とともに生き抜く、わが生命それ自体が、金剛にして不壊の仏だからであります。

戸田先生も、東北の友に語られました。
「大聖人は、すべての大難を乗り切られた。これが実証です。あなたには、妙法があるではないか。創価学会があるではないか」
いまだに、ご家族や同志・友人の安否が掌握できない方々の心中は察するにあまりあります。
私も妻と題目を送り続けております。

御聖訓「設い身は此の難に値うとも心は仏心に同じ」

御聖訓には、「設い身は此の難に値うとも心は仏心に同じ」(同1069頁)とあります。
どんな境遇にあろうとも、広宣流布に進む私たちの心は、同じ仏の境涯にあります。生々世々、仏の常楽我浄の世界で、一緒であり、一体なのであります。仮に一時、離れ離れになろうとも、この生命の不可思議な絆だけは、決して切れることはありません。

ともあれ日本中、世界中の友が、異口同音に感嘆し、驚嘆していることは、「東北だからこそ、これだけの大災害にも屈しない。東北には、なんと崇高な人材群がそろっていることか」ということであります。創価の名門・仙台支部の誕生から60年——。これが、戸田先生の願い通り、誇り高き皆様方が私と共に築き上げてくださった、難攻不落の東北の人材城であります。

東北出身の哲学者・阿部次郎は、「如何なる場合に於ても思想は力である」(『三太郎の日記』岩波書店)と言いました。最極の人間主義の思想である仏法は、最強の人間主義の力であります。

今から250年以上前、ポルトガルの都リスボンは、大地震と大津波と大火事によって壊滅しました。しかし、そこから迅速に立ち上がり、幾多の人材の力を結集して、大復興を成し遂げ、最高峰の理想都市を建設していった歴史があります。

どうか、大変でしょうけれども、一日一日、無量無辺の大功徳を積みながら、人類が仰ぎ見る「人間共和の永遠の都」を、東北天地に断固として創り上げていってください。私も、愛する東北の皆様のために、いよいよ祈り、総力を尽くしてまいります。最も大きな難を受けた東北が、最も勝ち栄えていくことこそが、広宣流布の総仕上げだからであります。

大切な大切な皆様方、どうか、お元気で!お達者で!四六時中、題目を送り抜いてまいります。