仙台で世界防災フォーラム-宗教者の貢献巡りシンポジウム

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仙台市で開幕した「世界防災フォーラム」(2017年11月25~28日)にSGIの代表が参加をした。

各国の専門家らが集い、防災のあり方について議論する同フォーラムは、これまでスイスのダボスで開かれてきた。2015年に行われた国連防災世界会議を契機に、隔年で仙台市でも行われることが決定。初開催となる今回は40カ国以上から約9000人が参加した。

  

①ポスター発表

会場では、諸団体によるポスター発表が行われ、SGIも出展。

東日本大震災後の学会の人道支援活動の模様や、音楽隊の「希望の絆」コンサートの取り組みなどの事例を通して、FBO(信仰を基盤とした組織)が防災、救援、復興のそれぞれの段階で果たす役割を紹介した。

  

  

②シンポジウム「FBOによる仙台防災枠組への貢献」

災害への備え、救援、復興の各段階において、FBOが果たしうる役割と、行政や企業との協力に向けた可能性を考えるシンポジウムが、公式行事として開催された。

はじめに、JLI(信仰と地域コミュニティに関する共同学習イニシアチブ)のアドバイサーである、浅井SGI平和運動局副部長が、人類の大半は信仰を持っており、宗教は人々の行動に大きな影響を与えていると指摘。それゆえに防災を考える上で、宗教団体が持つ役割に国際的な注目が集まっていると語った。

続いて、仙台イスラム文化センターの佐藤代表、大正大学BSR(仏教者の社会的責任)推進センターの髙瀬教授、創価学会の新沼東北男子部長が発言した。

新沼東北男子部長は、会館での避難者受け入れや、常設展「東北福光みらい館」を通じた経験の共有といった活動を紹介。“地域をよくしたい”という、信仰者としての自発の念がこうした活動を支える力であると語った。

最後に、宗教者災害支援連絡会の島薗代表が講演。特に東日本大震災以降、宗教者による支援活動が社会で好意的に受け止められるようになってきていると指摘。多様な宗教団体が連携を深めていくことで、新たな支援の可能性が生まれてくると洞察した。

また、未曾有の災害に見舞われ“答えのない問い”を続ける人々に寄り添いつつ、文明のあり方を見つめ直す視座を提供することが、宗教者ならではの役割ではないかと語った。