広島G7ユースサミット(ICANが主催、SGIなどが共催)

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各国から集った若者が3日間、核廃絶へ向けた方途を議論

  

国際NGO「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」が主催する「広島G7(先進7カ国)ユースサミット」が2023年4月25日、広島県東広島市内の広島大学キャンパスで始まった。

これにはG7各国(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)のほか、世界各地から集った若者や学生ら約50人が出席。27日までの3日間、核兵器の非人道性について学ぶとともに、廃絶に向けた方途を議論し、5月に開催されるG7広島サミットに向けた提言をまとめる予定となっている。

  

G7ユースサミットのようす

G7各国をはじめ世界各地から若者が集った「広島G7ユースサミット」(東広島市の広島大学キャンパスで)

  

核兵器使用の危機がかつてなく高まる中、被爆地・広島で来月、G7サミットが開かれる。そこでは、現下の厳しい安全保障環境を「核兵器のない世界」へ転じる取り組みを模索することが重要課題に掲げられている。
 
今回のユースサミットは、そうした議論を後押しするとともに、核兵器保有国の首脳らに核兵器禁止条約の推進を促すべく開催されたもの。広島大学平和センターのほかSGI(創価学会インタナショナル)、広島平和文化センター、ANT―Hiroshima、ピースボートが共催、広島市などが後援している。
 
開幕式では、広島大学の越智学長、ICANの川崎国際運営委員、ANT―Hiroshimaの渡部理事長、SGIの砂田平和・人権部長があいさつした。
 
砂田部長は、池田大作先生とパグウォッシュ会議創設者のジョセフ・ロートブラット博士との語らいを紹介。“池に小石を投げれば波紋が広がっていくように、一人一人の行動は小さいように思えても変化を生み出す原動力になる”と論じ、核兵器廃絶は「できるか、できないか」ではなく「やるか、やらないか」の問題であり、志をもつ青年の存在は諦めを打ち破る希望であると述べた。
 
続いて「核兵器とは何か、その影響とは」をテーマに、同大学平和センターの川野センター長、ファンデルドゥース・ルリ准教授、オーストラリア国立大学のタレイ・マンジョーニ氏が登壇。
 
川野センター長は、原爆は身体的被害にとどまらず、子や孫への影響に対する不安、社会的差別など、精神的・社会的被害も伴うと言及。ウクライナ危機によって核兵器を巡る議論が揺れる今こそ、平和とは何かを冷静に問い直し、理想実現に向けた国際社会の努力を後押しすることが広島の使命であり、広島でのG7サミットが分断ではなく停戦に向けた建設的な議論の場となることを望むと述べた。
 
その後、グループに分かれてディスカッションが行われた。各国における核兵器を巡る議論の動向や、ウクライナ危機が核抑止論に与えた影響、安全保障の議論における人道的視点の推進などを話し合った。堀口美幸SGI軍縮担当プログラムコーディネーターらが進行を務めた。

  

グループに分かれてのディスカッションで、活発に意見を交わす参加者(同)