ブラジル・アマゾン創価研究所が地球憲章インタナショナル(ECI)と提携協定

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6・5「世界環境デー」に加盟式
ECIから池田先生とSGIに顕彰
ビレラ事務局長と原田会長らが出席

  

  

アマゾン創価研究所に集った式典の参加者が笑顔でカメラに。地球憲章インタナショナルからは3人のアドバイザーも参加した(中央のビレラ事務局長から右へ、ヴァヴェルリ・ネウベルゲル氏、ホゼ・マリエ・イノジョザ氏、クリスチーナ・モレノ氏)

  

【マナウス】6・5「世界環境デー」を記念して、ブラジル北部のマナウス市郊外にある「創価研究所――アマゾン環境研究センター」(アマゾン創価研究所、ルシアノ・ナシメント所長)が、地球憲章インタナショナル(ECI)と提携協定を結んだ。

加盟式は2023年6月5日午後(現地時間)、アマゾン創価研究所で行われ、原田会長はじめ訪伯団がミリアン・ビレラ事務局長らECI一行と共に出席。在マナウス日本国総領事館の荻野正裕総領事のほか、多数の来賓が参加した。席上、ECIから池田大作先生とSGI(創価学会インタナショナル)に顕彰が贈られた。

  

ビレラ事務局長「私たちが力を合わせれば世界の課題は解決できる」

  

式典に先立ち、原田会長とビレラ事務局長ら地球憲章インタナショナル一行が和やかに懇談(アマゾン創価研究所で)

  

この日、初めてアマゾン創価研究所を訪れたビレラ事務局長は感激の面持ちで語った。
 
「SGIとの交流が始まって20年以上になりますが、皆さんと一緒にいると、わが家にいるような思いになります」「世界中どこに行ってもSGIのメンバーがいて、いつも温かく支えてくださいます。皆さんと接すると、“私は一人じゃない”という気持ちになれるのです」
 
持続可能な未来を築くため、人類の新たな規範として、2000年に発表された「地球憲章」。
 
池田先生は1997年の提言で、民衆が中心となって「第三の千年」への確たるビジョンを示す「地球憲章」の制定を提案。以来、ゴルバチョフ元ソ連大統領らと意見交換を重ねたほか、地球憲章委員会からの依頼を受けて草案にコメントを寄せてきた。
 
地球憲章委員会専務理事等を務めたマキシモ・カラウ博士は数度、学会本部を訪問しており、その際には原田会長(当時、副会長)が歓迎し会談。SGIとしても各国で起草作業を支援し、米国のボストン21世紀センター(現・池田国際対話センター)では憲章に関する会議などを開き、3冊の研究書を発刊している。
 
憲章採択後も、SGIはその普及に尽力。憲章の推進を担うECIと「変革の種子」展や「希望と行動の種子」展の制作・巡回などに取り組んできた。

  

社会環境教育に力を入れるアマゾン創価研究所。2017年から1万3000人以上の小・中学生に生態系の知識と経験を伝えてきた。式典に参加したマナウス日本人学校の八幡良一校長は「わが校の子どもたちも連れてきたい」と

  

アマゾンを守ることが人類の生存を守る

  

ビレラ氏は2006年、ECIの発足とともに事務局長に就任。多くのプロジェクトでSGIと協力を重ねる中、アマゾン創価研究所の活動を知る。
 
アマゾン創価研究所は“アマゾンを守ることで人類の生存を守る”との池田先生の構想を受け、1992年に「アマゾン自然環境研究センター」として設立。2014年から公益法人となり、現在の名称で新出発した。
 
近年はアマゾナス州を拠点に社会課題解決に取り組む企業・団体のグループ「アマゾナスSDGsハブ」で運営の一翼を担う。
 
研究所が立つのはアマゾナス州の州都マナウス。黒色のネグロ川と黄土色のソリモンエス川が合流するアマゾン川の起点に面し、豊かな緑が広がる敷地内には多様な動植物が生息する。
 
原田会長との懇談でビレラ事務局長は「このような素晴らしい場所があることを目の当たりにし、子どものように感動しています」とにこやかに語った。
 
そして、会長が今回の提携協定締結への謝意を述べると、事務局長はSGIとの友情が新たな実を結んだことを喜びつつ、「私たちが力を合わせれば、世界が抱える諸課題は必ず解決できます」と。それぞれが持つネットワークを生かしながら、心一つに進みゆくことを約し合った。

  

池田先生の謝辞を原田会長が代読。先生は両団体の希望あふれる新たな一歩を祝福した(アマゾン創価研究所で)

  

多くの来賓が駆け付けた式典では、アマゾン創価研究所のナシメント所長のあいさつ、ビレラ事務局長の講演の後、池田先生とSGIへの顕彰が、それぞれ原田会長と、ブラジルSGIのシラトリ理事長に手渡された。
 
先生への顕彰は、60年以上にわたるリーダーシップと、より持続可能で平和な世界に向けた貢献をたたえたもの。SGIへの顕彰には、20年以上にわたる緊密な協力関係への感謝が記されている。

  

研究所では、アマゾンの樹種の寄贈と植樹を推進。現在、60種類の有用樹種2万本以上を維持している

  

第11地方労働裁判所のアウダリファル・ダ・シルバ裁判長の祝辞に続き、原田会長が池田先生の謝辞を代読した。
 
その中で先生は、人類的課題が山積する今、制定から23星霜を迎えた地球憲章の意義はいやまして大きいと強調した。そして「人類の発展とは、私たちが人間的により大きくなることであって、過分に所有することではない」との憲章の一節に言及。「人間的により大きく」慈悲と共生と価値創造の智慧を発揮しながら、両団体が協働して未来創造の歩みを先導しゆくことを念願していると述べた。

  

原田会長が見守る中、ECIのビレラ事務局長㊧とアマゾン創価研究所のナシメント所長が提携協定に調印(アマゾン創価研究所で)

  

最後に両団体による協定書の調印が交わされ、式典は幕を閉じた。
 
アマゾン地域でECIに加盟した民間団体は創価研究所が初。今後は青年育成のための環境教育などで協力していく。
 
折しも2025年の「COP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)」がブラジル、そしてアマゾン地域で、初開催されることが発表された。

  

大自然に囲まれて立つアマゾン創価研究所。式典当日には、大空に虹も懸かった

  

リスザル

  

ナマケモノ(写真提供=アキラ・タナカ)

  

ヒメアリクイ(写真提供=アキラ・タナカ)

  

地球憲章とは

  

「地球憲章」とは、①生命共同体への敬意と配慮②生態系の保全③公正な社会と経済④民主主義、非暴力と平和――の観点から、持続可能な開発および生活のための倫理や価値観を明らかにしたもの。
 
1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットの事務局長を務めたストロング氏、ゴルバチョフ元ソ連大統領、米ミドルベリー大学のロックフェラー名誉教授、ルベルス元オランダ首相らが中心となって各地で検討作業が進められ、2000年6月に発表された。

  

未来に希望の種子を! 提携協定の締結を祝賀して記念植樹を行った(アマゾン創価研究所で)