ウクライナ国立民族舞踊団が東京公演 35カ国・地域の大使らが鑑賞

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伝統文化つなぐ優美の舞

  

ウクライナ国立民族舞踊団の東京公演。ウクライナからの避難者も招かれた(文京シビックホールで)

  

民主音楽協会(民音)主催のウクライナ国立民族舞踊団の東京公演が2023年7月11日、文京区の文京シビックホールで昼と夜に行われた。夜公演はウクライナのセルギー・コルスンスキー大使夫妻をはじめ、35カ国・地域の大使・大使館関係者、民音最高顧問の原田会長らが鑑賞した。
 
ウクライナ国立民族舞踊団は母体が1937年に発足し、伝統的な民族舞踊にクラシックバレエなどの振り付けを取り入れた数多くのダンスを創作。世界80カ国以上で高い評価を得てきた。
 
昨年2月から戦火の中にあるウクライナ。団員やその家族が避難を余儀なくされ、空襲警報で練習や国内公演が中断されるなど苦難が続く。しかし、そうした状況でも「団員は“今”を大切にし、全力で踊っています」とガリーナ・ヴァントゥフ芸術監督は言う。

  

手を上げて勢いよくジャンプ! 衣装には鮮やかな刺しゅうが(同)

  

最初の演目は「ウクライナ、私のウクライナ」。多様な民族衣装を身にまとった演者が列になり、歓迎の意を表す。その後、音楽に合わせて、各地の舞踊が次々と披露された。
 
また、ペアで優美に愛を表現したダンス、タンバリン等を用いたリズミカルな舞踊、ドラマ仕立てのコミカルな演目など、豊富なレパートリーで観衆を魅了した。
 
掉尾を飾ったのは、高い身体能力を生かした「ホパーク」。ヒマワリと青空を背景に、高い跳躍や軽快なステップが繰り広げられた。観客の手拍子もあり、会場の熱気は最高潮に。終演後、ダンサーに万雷の拍手が送られた。
 
鑑賞者からは「笑顔で踊る姿に涙が出ました」「ウクライナ人の力強さと優しさが伝わり、平和への思いを深くしました」等の声が寄せられた。
 
幕間にはコルスンスキー大使と原田会長が会見。大使は公演実現への尽力に謝意を示し、「わが国の平和の文化を世界に届けたい」と述べた。