核兵器禁止条約の第2回締約国会議 SGIがカザフスタン等と関連行事を開催

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核被害者の証言映像を発表

  

核兵器禁止条約の第2回締約国会議が、アメリカ・ニューヨークの国連本部で行われている。同会議に合わせ、SGI(創価学会インタナショナル)が、カザフスタン共和国国連代表部、同国NGO(非政府組織)の国際安全保障政策センター(CISP)、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)と共催する関連行事が2023年11月28日(現地時間)、国連本部で開かれた。

  

SGIなどが主催した、核兵器禁止条約の第2回締約国会議の関連行事(アメリカ・ニューヨークの国連本部で)

  

カザフスタンは核禁条約に基づく被害者援助、環境修復、国際協力に関する作業部会の共同議長をキリバスと共に務めている。また、同条約の第3回締約国会議の議長国として、条約の履行プロセス強化に取り組む。
 
カザフスタンが核兵器廃絶を力強く推し進める理由には、同国の歴史が関係している。旧ソ連時代、同国内には核実験場が旧セミパラチンスク(現セメイ市ほか)に存在した。1949年から約40年間で450回以上の核実験が行われ、約150万人が影響を受けたといわれる。
 
「私は生き抜く~語られざるセミパラチンスク~」と題して開催された関連行事では、このほどCISPとSGIが制作した、カザフスタンの核実験被害者の証言をまとめたドキュメンタリー映画が上映された。健康被害等を受けている被害者の現実が語られ、参加者は改めて核兵器廃絶への思いを強くした。
 
カザフスタン共和国外務省のアルマン・バイスアノフ国際安全保障局長が関係者への謝意を述べ、世界的な核兵器廃絶に向けた取り組みを加速していくと強調。寺崎SGI平和運動総局長は、SGIとして、いまだ広く知られていないグローバル・ヒバクシャ(世界の核被害者)について、さらに発信していきたいと語った。
 
国際安全保障政策センターのアリムジャン・アフメトフ代表はドキュメンタリー映画制作の経緯を紹介し、インタビューに答えた証言者たちに敬意を表した。
 
最後に登壇したのは、カザフスタンから参加したアイゲリム・イェルゲルディ氏。核実験による自身の健康被害について語り、闘病を続ける心の葛藤を赤裸々に述べた。勇気ある証言に、参加者から大きな拍手が送られた。

  

ICANと今後の取り組みを協議

  

SGI代表団がICANのパーク事務局長(前列右から3人目)らと記念のカメラに(同)

  

また関連行事に先立ち、SGIの代表団は、国連本部でICANのメリッサ・パーク事務局長、ダニエル・ホグスタ氏と、今後の取り組みについて協議。核兵器問題に関する教育の重要性を確認し、さらなる協働を約し合った。
 
併せて、英国のNGOの「80000Voices(8万人の声)」とSGIが共同制作している「被爆者の肖像――80年の記憶」の展示作品の一部が、国連本部で紹介されている。12月1日まで展示される予定。

  

国連本部で紹介されている、SGIなどが制作した「被爆者の肖像――80年の記憶」の展示