2024.09.06
ペッチェイ・池田対談集発刊40周年を記念してローマクラブと学会が協働プロジェクト
公開日:
10月に英タプロー・コートでイベント
世界的なシンクタンクである「ローマクラブ」の創設者アウレリオ・ペッチェイ博士と池田大作先生の対談集『21世紀への警鐘』が発刊されて2024年で40周年。対談で強調された「人間革命」のメッセージを一段と発信すべく、ローマクラブと創価学会の協働プロジェクトがスタートした。
ローマクラブは1968年、経済成長による物質的な豊かさが追求される一方、各地で環境悪化などのひずみが深刻化する中で発足。72年に発表した『成長の限界』は世界に衝撃を与えた。
“人類は産業革命、科学革命、テクノロジー革命と3度にわたり「人間の外側の革命」を経験してきた。しかし、それを何のために、どう使うべきかという英知は未開発のままになっている”――そう危惧したペッチェイ博士は、人間自身の変革の必要性を訴えてきた。そして池田先生との5度の語らいの中で、破滅の危機へ向かう時代の流れを転換することは可能であり、そのためには「人間革命」が肝要であるとの信念を共有したのである。
プロジェクトでは、主に青年世代を対象にした各種イベントを実施していくほか、ソーシャルメディアを活用した発信(英語)や学術調査等に取り組む。今月はオンラインセミナー、10月にはイギリスのタプロー・コート総合文化センターで行事が予定されている。
プロジェクト発足に寄せて、ローマクラブのサンドリン・ディクソン=デクレーブ共同会長は、次のように語った。
今こそ人間革命の実践を
本年は『21世紀への警鐘』の出版40周年であり、『限界なき学習――ローマ・クラブ第6レポート』の出版45周年に当たります。この2冊の書籍は、ローマクラブの思潮として今も息づいています。
私たちは現在、これまでに経験したことのない存続の危機に直面しています。ローマクラブは人類の未来に対する総合的な探究に基づいて、今日のような地球規模の危機が訪れることにいち早く警鐘を鳴らしてきました。
同僚たちとの議論を通じ、人類が直面する危機を解決する道は、一人一人が持つ無限の可能性を信じ、社会の積極的な変革、すなわち、人間革命に改めて焦点を当てることにあるとの共通の理解に達しました。私どもはその実践者を後押ししており、健全な地球を創出するための種は既に存在しているのです。
ペッチェイ氏と池田会長は事態の複雑さと人間革命の必要性を理解し、より人間的で謙虚な感覚に向け、進化の必要性を説くヒューマニストでした。彼らは個人の変容と広範な社会の変革を通じて「エゴ」から「エコ」、「私」から「私たち」へ移行する切実な必要性を感じていました。
『成長の限界』の科学的警告や行動への呼びかけが半世紀にわたり考慮されてこなかったために、私たちは今も根本的な問題に直面し続け、危機の時代に直面しています。だからこそ、仏教的ヒューマニズムの特質を備え、自己の尊厳を自覚し、私たちがつくり出してしまった危機に対処するための精神の変化を促す、新しいリーダーシップがどうしても必要なのです。
その挑戦こそ、偉大な先人とその後に続く人々の業績に敬意を表し、彼らの思想的リーダーシップを実際の変革につなげる最善の方法であり、人類の共通の責任なのです。
SOKA PICKS
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