欧州教育研究学会の年次総会で池田先生の教育思想を巡り議論

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キプロス共和国で開催 4カ国から識者

  

創価の教育思想を踏まえて、教育の未来を語り合った欧州教育研究学会の年次総会のセッション。参加者からは「価値の探求を教えることが現在の教育現場に必要だと感じました」などの声が寄せられた(キプロス大学で)

  

71カ国・地域から約2300人の学術者、教育者らが集う欧州教育研究学会の年次総会が2024年8月27日から同30日まで、キプロス共和国の首都ニコシアにあるキプロス大学で開催され、池田大作先生の教育思想を巡る学術セッションが行われた。

年次総会の最終日に開かれた同セッションのテーマは「高等教育における持続可能性と世界市民の定義――価値創造の視点と教育学的示唆」。4カ国から集った専門家が登壇した。

冒頭、アメリカ・ニューヨーク州立大学のナムラタ・シャルマ博士があいさつ。創価の教育思想に照らしながら、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の推進に資する世界市民の育成について共に考えたいと語った。

続いて、創価大学教育学部の富岡学部長と同大学経済学部の掛川教授が、世界市民と持続可能性の意識を養う、創大の教育事例を紹介。学部横断型プログラムの概要や、ゼミの研究活動と施策提言が自治体による環境に優しい町づくりのプロジェクト推進につながった事例を発表した。

スペイン・アルカラ大学「池田大作『教育と発達』共同研究所」のアレハンドロ・イボラ所長とアナ・ベレン・ガルシア・バレラ副所長は、教育の目的は、技術や知識の習得のみならず、学生が社会正義等について、自らの価値観を再構築することにあると主張。具体的な取り組みとして、創価の教育理念を取り入れた同大学での授業「幸福のための教育」について説明した。

最後に、イタリア・ボローニャ大学のマッシミリアーノ・タロッツィ教授が加わり、活発に意見交換を行った。

  

本年の欧州教育研究学会年次総会の会場となったキプロス大学

  

欧州宗教学会では分科会「気候変動と仏法者」 スウェーデン・イエーテボリで

  

欧州宗教学会年次会議での分科会。質疑応答も行われた(イエーテボリ大学で)

  

一方、スウェーデン第2の都市イエーテボリのイエーテボリ大学で開かれた欧州宗教学会の年次会議では「生態系の危機と気候変動に対する仏法者の対応」と題する分科会が開かれた(2024年8月20日)。その中で、池田先生が主導し、創価学会が進める平和運動の意義を4人の識者が発表した。

イタリア・新宗教研究所のマッシモ・イントロビーニェ所長は、仏教の“人間と自然環境は不可分で相関関係にある”とする視点の重要性に言及。英ウィンチェスター大学のオリビア・フックス氏は、環境問題の根源的な原因は人間の貪欲にあると強調し、人間精神の変革が持続可能な未来につながると考察した。

欧州信仰自由連合のロシータ・ソリーテ氏は、池田先生が地球的課題の解決に向けて、具体的な提案を重ねてきた事績を高く評価。オーストリア・グラーツ大学のニコル・バウアー助教授は、オーストリアとドイツの創価学会において、会員の環境保護の意識が向上していると指摘。一人を大切にする精神や女性によるリーダーシップなどが鍵であると論じた。

  

イエーテボリ大学