アイルランド元大統領のロビンソン氏が総本部へ

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メアリー・ロビンソン氏(左から5人目)を迎え、記念のカメラに(学会本部別館で)


アイルランドの元大統領であるメアリー・ロビンソン氏が2023年3月27日午後、東京・信濃町の総本部を訪問。谷川主任副会長、相島創価学会平和委員会議長、橋口女性平和委員会委員長らと懇談した。
 
氏は1990年から97年に大統領を務めた後、国連人権高等弁務官や気候変動特使を歴任。現在はネルソン・マンデラ氏が設立した世界の指導者らの集い「エルダーズ」の議長を務める。
 
語らいで氏は、気候変動、パンデミック、核兵器を巡る危機への対応が焦眉の課題になっていると指摘。特に気候変動問題については、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最新の報告書を今月発表し、さらなる対策強化の必要性を訴えているものの、政治指導者たちが深刻に受け止めている様子はみられないと述べた。
 
国際社会が指標とする「2030年」までに世界の安定を築くには、危機打開に向けた意識変革と行動の強化が必要であり、倫理や道徳の面で影響力を持つ宗教者の役割は大きいと強調した。そして、エルダーズの創設者であるマンデラ氏と理念を共有し、核兵器廃絶や気候変動対策に精力的に取り組んでいる学会の活動は大変に心強いと期待を寄せた。

  

メアリー・ロビンソン氏が学会代表と懇談(学会本部別館で)


谷川主任副会長は、“2030年へ向かう10年は人類にとって重大な分岐点である”との池田大作先生の言葉に言及し、危機打開への連帯を一段と強めていきたいと応じた。
 
また席上、女性平和委員会が推進する草の根の意識啓発の取り組みが紹介された。
 
ロビンソン氏は、危機の打開には個人や地域など、あらゆるレベルで現状を“自分事”と捉えることが不可欠であると指摘。一人一人が力を結集した先に大きな変化は生まれるのであり、現下の危機は男性主導の社会構造に少なからぬ要因があることからも、女性が主体となる草の根の取り組みは重要な意義があると評価した。
 
さらに、語らいでは氏の広島への訪問が話題に。谷川主任副会長は戸田城聖先生の「原水爆禁止宣言」(1957年9月)以来、核兵器廃絶は学会の一貫した信念であり、民衆の力を結集して核兵器のない世界の実現を後押ししていきたいと述べた。
 
氏は、世界の宗教指導者が連帯して広くメッセージを発していく意義は大きいと重ねて強調。力を合わせて危機克服の道を開いていきたいと語った。