米・池田対話センターで核兵器廃絶巡るイベント

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若者の声が危機の時代の希望

  

ハーバード大学に隣接する地に立つ池田国際対話センター

  

核兵器廃絶をテーマにした対話イベントが2023年4月20日(現地時間)、米マサチューセッツ州ケンブリッジ市の池田国際対話センターで開かれた〈主催=同センター、社会的責任を求める医師の会グレーター・ボストン支部(GBPSR)〉。

昨今、緊迫した国際情勢下で、核兵器使用の脅威が高まっている。来月、広島で開かれるG7サミット(主要7カ国首脳会議)でも、核軍縮・不拡散が重要なテーマの一つとして扱われる方針だ。

同センター創立者の池田大作先生は長年にわたって、恩師・戸田城聖先生の「原水爆禁止宣言」の精神を胸に、核兵器廃絶の方途を論じつつ、希望の時代を開く「対話」の重要性を訴えてきた。

対話センターは、こうした池田先生の哲理を踏まえ、学生平和セミナーをはじめ、多くの行事で核兵器問題を取り上げ、学識者や学生が意見を交わす場を提供してきた。

  

核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のヘルファンド前共同会長が講演

  

対話イベントで、核兵器廃絶への展望を述べるIPPNWのヘルファンド前共同会長(20日、池田国際対話センターで)

  

今回のイベントは、「若者の声が危機の時代に希望をつくる」とのコンセプトのもと、核兵器を巡る現状を学び、その廃絶に向けて私たちに何ができるのかを考える場として企画された。

イベントでは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のアイラ・ヘルファンド前共同会長が基調講演を行った。

ヘルファンド氏は、核兵器使用による大惨事の可能性が高まった東西冷戦下の歴史に言及。たとえ小規模であっても核戦争がもたらす人道面・環境面の影響は壊滅的で、それを知りながら核兵器の存在を許している世界の状況に警鐘を鳴らした。

さらに、市民社会による核兵器廃絶への積極的な取り組みを紹介しつつ、私たちには世界を救うチャンスが与えられており、個人の責任感と行動にこそ、事態を良い方向へと変える鍵があると語った。

  

ハーバード大学の学生らが活発に議論

  

ハーバード大学に学ぶジャック・トラパニックさん㊧、エマ・ルーさんが核兵器廃絶への思いを語った(同)

  

続いて、米ハーバード大学の学生であるジャック・トラパニックさんとエマ・ルーさんが発言。両者は、高校時代に被爆者の体験などに触れて核兵器の恐ろしさを感じ、核兵器廃絶運動に携わるようになったことを述懐。若者が意見を発信することこそ、核兵器なき時代への着実な一歩になると述べた。

3人の登壇者への質疑応答の後、「核兵器の廃絶を達成するために必要なことは何か」などについて、学生ら約40人が小グループに分かれて、活発にディスカッションを行った。

最後に対話センターのマー所長があいさつした。