第175回「広島学講座」 歴史研究家・森氏が講演

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第175回「広島学講座」が2017年10月9日、広島池田平和記念会館で開催され、歴史研究家の森重昭氏が「被爆死した米兵を通して平和を考える」と題して講演した。

自身も被爆者である森氏は、昨年のオバマ前大統領との出会いに触れつつ、40年以上にわたり米兵捕虜を含む原爆犠牲者の研究に取り組んだ調査結果を紹介した。

被爆死した米兵12人の写真・名前は今、平和記念資料館に登録されている。「行方不明」としか伝えられなかった被爆米兵の遺族とも、森氏は交流を深めてきた。

講演で森氏は、戦時中、一人一人の米兵がどのような状況下に置かれ、どのように生きたのか、詳細を語った。

「自身も同じ運命をたどっていたかもしれない」

長きにわたり、調査・研究に心血を注いできた森氏の原動力は、同じ人間として、苦しみや悲しさに寄り添い、生き残った使命を果たそうとする心だった。

核の恐ろしさを知らない、知識がないことの恐ろしさを、青年に学んでほしいと呼びかけた。