2024.10.04
NPT再検討会議準備委員会 SGIが核兵器の先制不使用テーマに関連行事
公開日:
第11回NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議に向けた第1回準備委員会が、オーストリアのウィーン国際センターで2023年7月31日から開かれている。核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)、核時代平和財団、SGI(創価学会インタナショナル)は、「核兵器の先制不使用――核軍縮への道」と題する関連行事を8月3日(現地時間)に同センターで開催した。
核軍縮への方向転換を
「冷戦以来、これほど核兵器使用のリスクが高い時期はない」。準備委員会の初日、国連の中満軍縮担当上級代表(事務次長)が強調した。
現状の危機の打開が急務となる中、池田大作先生は昨年から3度にわたって提言を発表。「核兵器の先制不使用」政策の確立の必要性を一貫して訴えてきた。
先制不使用とは、相手国から核兵器の攻撃を受けない限り、自国は核兵器を使わないという政策。同政策の広がりは核兵器使用の恐怖心を取り除く突破口となり、核兵器の増強から、核軍縮へと世界全体の方向性を転換することにつながる。
先生は、G7サミット(先進7カ国首脳会議)に寄せて発表した提言で、先制不使用の誓約が「『核兵器のない世界』を実現するための両輪ともいうべきNPTと核兵器禁止条約をつなぎ、力強く回転させる“車軸”となりうる」と訴えた。今こそ、そのための議論を深めていくことが重要となっている。
「核兵器の先制不使用」をテーマにした関連行事では、SGIの砂田平和・人権部長が進行を務め、3人のパネリストが登壇した。
核軍縮・不拡散議員連盟のクリスティン・ムットネン共同議長が、さまざまな核不拡散・核軍縮を目的とした条約等が損なわれ、あるいは進展していないと語り、「核兵器の先制不使用」を早急に確立するべきと強調。また、若い世代の軍縮教育の必要性を訴えた。
オーストリアのウィーン軍縮・不拡散センターのニコライ・ソコフ上級研究員は、核兵器使用の禁忌意識を強化し、各国間の信頼醸成を促す上で、先制不使用は有効であり、核兵器廃絶に寄与するものであると語った。
アメリカ・核時代平和財団のイバナ・ヒューズ会長は、核兵器が使用された場合の被害の大きさについて最新の研究を通して概説。核兵器廃絶を進める上で、核兵器使用のリスクを低減させる先制不使用などの政策が重要になると述べた。
会場には核軍縮の専門家らが集まり、活発な質疑応答も行われた。参加者からは「核兵器使用の危機に対する緊張を感じつつも、希望を見いだすことができました」等の声が寄せられた。
核兵器の先制不使用政策の実現には、市民社会から各国の行動を促す後押しが重要となるといえよう。
NGOプレゼンテーションで「ユース声明」
また、準備委員会の3日目となる2日にはNGO(非政府組織)の代表によるプレゼンテーションが開かれ、SGIが推進した「ユース(青年)声明」が発表された。
声明は核兵器使用のリスク低減のための具体的な行動などを要請しており、約50の団体と個人が署名している。
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