ドイツ・ベルリンで行われた国際会議 分科会で学会代表が発表

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「核兵器のない世界」テーマに

「核兵器のない世界は可能である」をテーマに行われた分科会。創価学会派遣団を代表して、欧州SGIのハラップ共同議長が登壇した(11日、ベルリン市内で)

  

ドイツの首都ベルリンで開催された国際会議「平和への勇気の声を――宗教と文化の対話」の関連行事である分科会が、2023年9月11、12の両日に行われた。このうち、11日の「核兵器のない世界は可能である」と題する分科会では、会議に参加した創価学会派遣団を代表して、欧州SGI(創価学会インタナショナル)のハラップ共同議長が登壇した。

イタリアに本部を置くカトリック系の聖エジディオ共同体が主催する宗教間の国際会議は、今年で37回目。平和という共通の目的のもと、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンズー教など異なる宗教の人々が集い合う場として、これまでヨーロッパの各都市などで開催されてきた。
 
過去にはフランシスコ・ローマ教皇ら宗教指導者、ドイツのメルケル首相(当時)、フランスのマクロン大統領ら国家首脳も多く参加。今年も40カ国以上から集った宗教関係者のほか、ドイツのシュタインマイヤー大統領、ギニアビサウのエンバロ大統領らが出席した。
 
11、12の両日にわたって、ベルリン市内で20のテーマに分かれて分科会が行われた。「危機に瀕する民主主義」「戦争、移住、平和の証言」「AI(人工知能)の台頭がもたらす機会と課題」「気候変動の現実に向き合う」などテーマは多岐にわたり、宗教者が果たしうる貢献を巡って活発な語らいが広げられた。
 
このうち、11日の「核兵器のない世界は可能である」と題する分科会は、平和と対話のための聖エジディオ財団のアンドレア・バルトリ会長の進行で進められ、5カ国からの参加者が登壇。そのうち、タンザニアのリベラタ・ムラムラ元外務大臣は、1994年に隣国ルワンダで大量虐殺が発生した歴史に触れつつ、核戦争もまた想像を絶する被害をもたらすものであり、核兵器は疑いなく不要であると力説。人類の脅威を取り除くための、多国間の取り組みを強めていくべきであると訴えた。

  

参加者からの質問に答えるハラップ共同議長㊧。活発な意見交換も(同)

  

欧州SGIのハラップ共同議長は、池田大作先生が友情を結んだ平和学者のエリース・ボールディング博士がかつて語った、“「平和な社会がどのような社会であるか」を具体的に思い描くことなくして、平和を求める運動を力強く結集するのは難しい”との言葉を通して、平和へのビジョンを分かち合っていく重要性に言及。創価学会が、軍縮教育の一環として核廃絶展示などを世界各国で開催しながら、市民一人一人が平和について思索し、自らが変革の主体者であるとの自覚を促す運動を広げてきた歴史を紹介した。
 
また、国際社会で核兵器禁止条約の署名・批准が着実に進んでいる事実を踏まえて、いかに課題が山積しようとも、希望を抱き続けることが大切であると強調。平等と尊敬と生命尊厳を基調とした人類史の新たな段階へ、対話を広げていこうと呼びかけた。
5人の登壇の後には、参加者との質疑応答も行われた。
 
派遣団の寺崎副会長は12日、ドイツのショルツ首相との特別セッションに参加。また国際会議の会期中、イタリア司教協議会会長のマッテオ・ズッピ枢機卿と懇談した。