「日中平和友好条約」締結45周年を記念 東京富士美術館で「世界遺産 大シルクロード展」が開幕

公開日:

呉駐日中国大使、原田会長らが出席し開幕式

  

東京富士美術館で開幕した大シルクロード展。来館者からは「中国各地から出土した作品を通し、旅をした気持ちになりました」などの声が寄せられた

  

東京富士美術館の海外文化交流特別展「世界遺産 大シルクロード展」(主催=同美術館、中国文物交流中心、朝日新聞社)の開幕式が2023年9月15日、八王子市の同館で開催された。

開幕式には、中国の呉江浩駐日大使、同館名誉館長の原田創価学会会長をはじめ、多数の来賓が出席した。一般公開は2023年9月16日(土)から12月10日(日)まで。

  

一級文物含む約200点を展示

  

果てしなき“砂の海”が広がり、約2000年に及ぶ人間の足跡が刻まれた道「シルクロード」。紀元前2世紀から紀元16世紀ごろまで、東洋と西洋を結ぶ通商ルートとして活用されていた。
 
中国とヨーロッパという、習慣や政治体制の異なる地域を結んだこの道を多くの人が往来する中で、文化や宗教の交流も大きく進んでいく。その交わりを通じて、新たな価値が創造されていった。シルクロードを舞台にした人類の歩みは、差異を超えた異文化の交流や多様性の尊重など、現代社会にも示唆を与えてくれる。
 
2014年には、その歴史的意義を鑑み、中国、カザフスタン、キルギスの関連遺跡などが「シルクロード‥長安―天山回廊の交易路網」として、ユネスコの世界文化遺産に認定されている。
 
本展は世界遺産認定後、中国国外で初めて開催される大規模なシルクロード展である。
 
中国国内の主要博物館や研究機関からの一級文物45点を含む約200点を展示する。
 
全3章で構成され、民族往来の舞台に残された遺宝や、遣唐使などの交流で日本とつながりを深めた唐時代の作品を紹介。また、仏教に関連する経典の写本や美術作品を通して、インドから中国へと仏教が伝来した歴史にも迫る。
 
さらに、特集展示として「シルクロードと日本」も併設。シルクロードの価値に光を当て、保護・研究活動の支援に尽力してきた東京富士美術館創立者の池田大作先生と、日本画家の平山郁夫氏の足跡を紹介している。
 
日中平和友好条約の締結(1978年8月12日)から45周年を迎えた本年。コロナ禍という苦難を乗り越えて、日中両国の文化交流の扉が再び開かれた。

  

大シルクロード展の開幕式で呉江浩駐日大使(左から4人目)、原田会長(同5人目)、譚平主任(同3人目)、青柳正規氏(同6人目)と来賓らがテープカット(東京富士美術館で)

  

日中友誼の佳節を記念して行われた同展の開幕式では、主催者を代表して東京富士美術館名誉館長の原田会長があいさつし、悠久の人類の歴史に思いを馳せ、平和の文化を開く一助にと望んだ。
 
中国文物交流中心の譚平主任、同展名誉顧問の青柳正規氏のあいさつの後、中国の呉江浩駐日大使が、今回の展覧会を通して、先人たちの文化交流の歩みに触れ、心を広げる良い機会にしてほしいと語った。
 
また、開幕式前には呉大使と原田会長が会談し、日本と中国のさらなる文化交流の促進へ、手を携えて進むことを約し合った。

  

原田会長(右端)が呉駐日大使(左から3人目)と和やかに会談(同)