ヨーロッパ科学芸術アカデミーのウンガー博士と池田先生の対談集「人間主義の旗を」のドイツ語版が発刊

公開日:

  

他者との共存・共生へ――「寛容の精神」を語り合う

  

ウンガー博士と池田先生の対談集『人間主義の旗を』のドイツ語版

  

池田大作先生と「ヨーロッパ科学芸術アカデミー」の名誉会長であるフェリックス・ウンガー博士との対談集『人間主義の旗を――寛容・慈悲・対話』のドイツ語版(ドイツ語版タイトルは『寛容に生きる――現代の諸問題に対する仏教とキリスト教の対応』)が、ドイツを代表するヘルダー出版社から発刊された。

オーストリア出身のウンガー博士は、高名な心臓外科医で、ヨーロッパ科学芸術アカデミーの創立メンバーの一人である。

ヨーロッパ科学芸術アカデミーは、さまざまな専門分野から一級の学者を選出。持続可能な社会など、多岐にわたる研究やプロジェクトに取り組み、その知性のネットワークは、50カ国以上に広がっている。池田先生には1997年3月、同アカデミーから日本人初となる「名誉評議員」称号が贈られている。

  

和やかに語り合うウンガー博士(右から2人目)と池田先生。博士は“私は池田先生の思想の中に、多くの共通点を見いだしています”と(1997年7月、八王子市の東京牧口記念会館で)

  

池田大作先生とウンガー博士は、4度にわたって会見したほか、往復書簡による意見交換を重ねた。対談集は、その内容をもとに編さんされたものである。

本書で池田先生は、現代において、他者との共存・共生が不可欠であり、他の選択肢はないと指摘。「『寛容』という徳目が、きわめて重要」と強調した。

これに対し、ウンガー博士は、「寛容は、自己の殻を破り、他者と語る姿のなかに現れます」と応じた。そして他者に精神的に尽くす中に現れる寛容の精神こそ、共生の積極的な形であると指摘した。

さらに両者は、「寛容」の精神に基づく、「宗教間対話」こそが世界の平和と安定を切り開いていく力と語り合う。

両者が一致した、人類共生の礎となる「寛容の精神」という視座。コロナ禍や紛争等で世界の混迷と分断が深まる今、その重要性が増している。

ドイツ語版の完成は、より多くの人々が、希望の未来を開くための方途を探る一助となるに違いない。