カザフスタンで国際会議 非核兵器地帯の強化をテーマに

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カザフスタン外務省と国連軍縮部が主催

  

カザフスタン外務省と国連軍縮部が主催した国際会議(27日、アスタナ市内で)

  

非核兵器地帯の強化をテーマにした国際会議が2024年8月27、28の両日、カザフスタン共和国外務省と国連軍縮部が主催し、同国の首都アスタナで開かれた。会議には各国の政府代表や専門家らと共に、SGI(創価学会インタナショナル)の寺崎平和運動総局長、砂田軍縮・人権部長が出席した。
 
非核兵器地帯とは、特定の地域の国々が条約を結び、域内での核兵器開発や保有などを禁止した地域をいう。核兵器保有国に対しても域内への核攻撃や威嚇を行わないよう求めることから、非核兵器地帯の強化・拡大は核戦争の危機を排除し、国際的な緊張緩和につながると期待される。現在、カザフスタンのある中央アジアをはじめ七つの地域で条約等が結ばれている。

  

世界の非核兵器地帯等

  

会議初日にあいさつしたカザフスタンのアカン・ラフメトゥリン第一外務副大臣は、かつて同国に存在した旧ソ連のセミパラチンスク核実験場が、民衆の力で閉鎖されるにいたった歴史に言及。各地の非核兵器地帯の協力強化に向けて、多様な見地から議論を重ねていきたいと述べた。
 
次いで国連の中満軍縮担当上級代表は、核兵器使用の脅威が高まる今、非核兵器地帯条約は大惨事を回避する上で重要な役割を果たすと指摘。世界の陸地の半分以上が条約で網羅されていることに触れ、この事実は、核兵器を保有しない方が安全保障上有益であると信じる人が多数派であることを示していると述べ、非核兵器地帯間の協力促進は極めて重要であると語った。
 
その後、各国・機関の代表による議論が行われた。このうち、OPANAL(ラテンアメリカ及びカリブ核兵器禁止条約機構)の代表は軍縮教育の重要性に言及し、長年にわたり共に意識啓発の活動に取り組んできたSGIに謝意を述べた。

  

SGIなどが関連行事としてドキュメンタリー映画の上映会

  

会議の関連行事としてSGIと国際安全保障政策センターが主催したドキュメンタリー映画の上映会(28日、同)

  

28日午後には、カザフスタンのNGO「国際安全保障政策センター」とSGIが制作したドキュメンタリー映画の上映会が、会議の関連行事としてアスタナ市内で行われた。
 
寺崎総局長が、核兵器を巡る脅威が高まる今こそ、被爆者や核被害者の声に立ち返る必要があると強調。今後も草の根の市民の連帯を広げたいと語った。
 
続いて、祖母と母がセミパラチンスクで核実験被害に遭ったディアナ・ムルザガリエバ氏が被害の実情を報告。その後、核実験被害者の証言映像「私は生き抜く~語られざるセミパラチンスク~」が上映された。

  

ドキュメンタリー映画はこちらから視聴できます