2024.10.04
パリの国際会議「イマジン・ピース」の分科会で学会代表が発表 核兵器なき世界を巡って
公開日:
会期中に諸宗教関係者と未来への語らい
フランスの首都パリで国際会議「イマジン・ピース」(主催=聖エジディオ共同体)の分科会が2024年9月23、24の両日(現地時間)、市内の各会場で行われた。23日の「ヒロシマとナガサキを忘れない――核兵器なき世界を想像する」と題する分科会では、会議に参加した創価学会派遣団を代表して、SGI(創価学会インタナショナル)国連事務所のアナ・イケダ氏が登壇した。
平和を想像する(イマジン・ピース)――ウクライナや中東など世界各地で深刻化する人道危機を前に、会議のテーマに掲げられたこの姿勢が、今ほど求められる時はない。
平和を願う人間の善性を信じ、対話で人々を結ぶ宗教の使命は大きい。今回の会議にはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教、仏教など、各宗派の代表が集った。
聖エジディオ共同体は、イタリアに本部を置くカトリックの信徒団体。学会は10年以上にわたって、同共同体と宗教間対話や平和への取り組みで協働。同共同体が主催する国際会議への参加は、昨年に続き2度目となった。
開幕式(22日)に続いて行われた分科会では、移民政策、生態系の変化、AI(人工知能)と倫理など21のテーマに分かれて、活発な意見交換がなされた。
そのうち、「ヒロシマとナガサキを忘れない――核兵器なき世界を想像する」と題する23日の分科会は、「聖エジディオ財団」のアンドレア・バルトリ会長が進行役を務め、5人が登壇。国連の中満軍縮担当上級代表らがビデオメッセージを送った。
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)フランス代表のジャン=マリー・コリン氏は、核兵器禁止条約の締約国会議に、多くの国がオブザーバー参加する重要性などを強調。
核時代平和財団のイバナ・ヒューズ会長は、核軍縮の流れを加速させる市民社会の役割に期待を寄せた。
学会を代表して登壇したアナ・イケダ氏は、同じ苦しみを二度と繰り返させないとの被爆者たちの叫びが、意思決定の現場に十分に反映されていない現状を指摘。
池田大作先生が2022年の「SGIの日」記念提言で、核兵器に依存した安全保障体制を“解毒”する必要があると呼びかけたことを通して、そのプロセスに宗教者は貢献できると語った。
また、核兵器使用のリスクが高まる今日、核保有国が「先制不使用」の原則を確立することが優先課題であると訴えた。
国際会議は24日に閉幕。会期中、寺崎副会長ら派遣団の代表は、聖エジディオ共同体のマルコ・インパリアッツォ会長をはじめ、英国国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教、教皇庁諸宗教対話省次官のインドゥニル・コディトゥワック神父、教皇庁生命アカデミー議長のビンチェンツォ・パリア大司教らと懇談した。
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