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日本被団協にノーベル平和賞 授賞式にSGI代表が出席

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ノルウェーの首都オスロの市庁舎で開催されたノーベル平和賞の授賞式。日本被団協・田中代表委員がスピーチを行った

  

ノーベル平和賞の授賞式が2024年12月10日午後1時(現地時間)からノルウェーの首都オスロの市庁舎で開催され、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与された。これには、ノルウェー・ノーベル委員会から招待されたSGI(創価学会インタナショナル)の寺崎平和運動総局長、ハラップ欧州共同議長ら代表が出席した。

  

◇ 
 
核兵器で人類を自滅させてはならない――授賞式の日本被団協・田中熙巳代表委員のスピーチは、核兵器使用の危機を絶対に回避しなければならないとの責任感と気迫にあふれていた。
 
日本被団協は広島や長崎で被爆した人たちの全国組織。1956年に結成され、約70年間、日本や国外の各地で、証言活動を通し、核兵器廃絶を訴え続けている。
 
創価学会は、同団体等が取り組む「ヒバクシャ国際署名」の推進を呼びかけ、協働してきた。また、学会が主催する戦争・被爆証言を聞く会や平和講演会などに同団体の関係者を招いている。
 
世界では核兵器使用の威嚇が繰り返されるなど、核使用のリスクが冷戦以降で最大に高まっており、全ての指導者や市民が被爆者の証言に耳を傾けるべき時である。
 
授賞式では、ノーベル委員会のフリードネス委員長が、日本被団協と被爆者の絶え間ない努力が、核のタブーを築いていく上で他に類を見ないほどの貢献を果たしたと強調。被爆者の体験を伝え広げることが人類の責任であると語った。
 
記念演奏などに続いて、日本被団協の田中代表委員がスピーチ。13歳の時に長崎で被爆した際、町は黒く焼き尽くされ、やけどなどに苦しむ多くの人を見たと証言。生き残った被爆者は病気や生活苦、偏見に苦しみながらも、“同じ苦しみを世界中の誰にも経験させない”との決意で運動に取り組んできたと語った。さらに、次の世代が工夫して今後の核兵器廃絶運動を繰り広げてほしいと期待を寄せ、核兵器も戦争もない世界を求めて共に進もうと呼びかけた。
 
また授賞式に先立つ9日(現地時間)、寺崎平和運動総局長ら代表団はオスロ市内で、ノーベル委員会のフリードネス委員長、トーヤ副委員長らと会見した。
 
フリードネス委員長が、今回の日本被団協のノーベル平和賞の受賞は、核兵器を使用させない世論を形成するために重要であると強調。未来を担う若者たちが今後の核兵器廃絶の運動を受け継ぐ重要性について述べ、平和へのメッセージを共に世界に発信していきたいと語った。
 
寺崎総局長はノーベル委員会の平和・人権への深い視点や取り組みから学び、市民社会の一員として連帯し、核兵器廃絶のための取り組みに一層尽力したいと応じた。