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核兵器禁止条約第3回締約国会議 SGIとカザフスタン等が核実験の被害を巡り関連行事を開催

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核被害者の証言映像を上映


核兵器禁止条約の第3回締約国会議が2025年3月3日(現地時間、以下同)、アメリカ・ニューヨークの国連本部で開幕した(7日まで)。初日となる3日、同会議の関連行事としてSGI(創価学会インタナショナル)とカザフスタン共和国国連代表部、同国NGO(非政府組織)のCISP(国際安全保障政策センター)が共催したイベントが国連本部で行われた。

  

3日に開幕した核兵器禁止条約の第3回締約国会議(アメリカ・ニューヨークの国連本部で)


今回の締約国会議において、注目の議論の一つが、核被害者援助と環境修復のための国際信託基金の検討である。核兵器による放射線の影響は長く続き、今なお、世界中に核兵器の使用や実験による影響で健康被害などに苦しむ人が多くいる。
 
第3回締約国会議の議長国であるカザフスタンにも、かつて核実験場が存在した。旧ソ連時代の旧セミパラチンスク核実験場では450回を超える核実験が繰り返された。被害は約150万人に及んだとも言われている。
 
核兵器使用のリスクが冷戦以降で最大に高まっている現在、核被害者の勇気の証言を伝え広げることが、さらに重要となっている。

  

SGIなどが開催した核兵器禁止条約の第3回締約国会議の関連行事。多くの若者の関心を集め、場内は満席に(3日、国連本部で)


関連行事では、CISPとSGIが制作した核実験被害者の証言映像「私は生き抜く~語られざるセミパラチンスク~」の完成版が上映された。
 
上映に先立ち、カザフスタン共和国国連代表部のアザマット・カイロルダ参事官が、核兵器廃絶への取り組みにおける青年の役割に言及し、世代間の連帯の重要性を強調した。
 
続いて、相島SGI平和運動局長は、核実験被害者の苦境が未だに多くの人に知られていないと語り、証言映像の上映などを通して、これからも核兵器の非人道性を訴え続けたいと語った。
 
CISPのアリムジャン・アフメトフ代表は、証言映像の制作に携わった際の取材の様子を紹介。つらい過去を述懐し、勇気をもって証言をした核被害者への最大の尊敬と感謝を述べた。
 
さらに、母や祖母がセミパラチンスクで核実験の被害に遭ったディアナ・ムルザガリエバ氏が登壇。身近な家族が核実験の影響で健康被害に苦しみ、自身も言語障害や歩行困難に悩んだと語り、子どもたちの未来を奪う核兵器は地球に存在してはならないと訴えた。
 
証言映像の上映後には、活発な質疑応答も行われ、ある参加者は「この貴重な証言を多くの人に語り広げていきたい」と語った。