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石川・能登で「希望の絆」コンサート

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音楽隊・しなの合唱団が熱唱

  

共に福光の春へ!――しなの合唱団が出演した珠洲会館での「希望の絆」コンサート。笑いあり、涙ありの心温まる交流のひとときとなった(23日)

  

音楽隊・しなの合唱団(細田団長)による「希望の絆」コンサートが2025年3月22日に石川県羽咋市の羽咋会館で、23日に同県能登町の珠洲会館で開催された。(動画はこちら


これには、志賀町、七尾市、輪島市、穴水町などからも、能登半島地震で被災した多くの人々が来場した。

2024年元日に能登半島を襲った地震は最大震度7を観測。尊い命が失われ、10万棟を超える住宅が損壊した。また、道路の寸断や停電・断水が相次ぎ、各地に甚大な被害をもたらした。

羽咋市では液状化や地盤沈下などが発生。能登町や珠洲市は津波が押し寄せたほか、土砂崩れなどで交通網が遮断され、一部地域が孤立状態となった。

多数の住民が避難生活を余儀なくされる中、同年9月には豪雨が能登半島を直撃。度重なる災害で、復興への歩みは長期化している。

  

羽咋市での公演では、仮装や楽器を交えたパフォーマンスに会場が笑顔に包まれた。アンコール曲では参加者も加わり、会場が一つに(22日、羽咋会館で)


被災地に励ましのメロディーを届けるコンサートは、両日共に懐かしの歌謡曲メドレーで開幕。イントロが流れると、自然と手拍子が起こり、会場の雰囲気が和んだ。

希望制の指揮者体験コーナーでは、参加者が、ぎこちないながらも懸命にタクトを振るたび、客席に温かな笑顔が広がった。

  

未来っ子が“緩急自在”の指揮を披露(23日、珠洲会館で)

しなの合唱団が能登の復興ソングとして親しまれる「希空~まれぞら~」を歌い始めると、会場の空気は一変。歌詞の一言一言に希望を重ねるように、聴衆はじっと聴き入った。

学会歌メドレーに続いて披露されたのは、北陸の歌「ああ誓願の歌」。“このひとときだけでも、つらいことを忘れてほしい”との思いを込めた歌声が参加者の胸を打つ。

フィナーレを飾った学会歌「母」が歌い終わるやいなや、力強い拍手が会場を包んだ。
両公演で、石川総県の表川総県長があいさつした。

参加した七尾市の奥田さんは思いを口にした。

「地震で自宅が半壊し、勤め先の旅館も大きな被害を受けました。合唱団の真心の歌声に胸が熱くなり、苦しみを分かち合える同志の存在に感謝が込み上げました。今度は、自分が誰かの希望になっていきます」

輪島市の吉岡さんは、目を潤ませながら語った。

「自宅が損壊し、実家は全焼しました。町が震災前とは様変わりし、正直、不安は尽きません。しかし、子どもと会館に足を運び、皆さんの温かさに触れて、未来に向けて歩み出す勇気が湧きました」

  

「お元気で!」――しなの合唱団がグータッチで参加者を見送る(22日、羽咋会館で)